帰ってきたブルー(ビクセン16×70双眼鏡)

今日日中は雪のパラ付く天候でしたが、夜は晴れました。

さてスタパにはたくさんの双眼鏡があります。

多くは手持ちで使うタイプですが、三脚に載せないと少し厳しいくらいの大型タイプも何台かあります。

大型の双眼鏡の中で一番古くからあるのがこれ、

ビクセンの16倍70mm(16×70)です。(すでに絶版品です。)

この双眼鏡、昼間は色収差が大きくてとても残念な見え方をするのですが、夜になると化けて恐ろしいほど良く見える機種でお気に入りだったのです。

就職してすぐの頃に購入したのでかれこれ45年の付き合いで、何度も海外遠征に出動したスタパで一番世界を旅をした望遠鏡でもあります。

スタパ開業当社、望遠鏡を色分けして紹介していた時期があって、望遠鏡の数が少なかった当時はこの双眼鏡も「ブルー」として戦隊に加わっていました。
(今では望遠戦隊シュミカセンジャーに編成替えされ「ブルー」はミードLX-200 20/F6.3が3代目ブルーを襲名しています。)

でもスタパを開業した頃に内部にカビや曇りが発生し、見え味が悪くなってしまいあまり出番が無かったのです。

ところが昨年、双眼鏡のレストアに詳しい方に修理をして頂けることになり、最近すっかりキレイになって帰ってきてくれたのです。

実はこの16×70の見え味が忘れられなくて、セレストロンの12×70を購入したのですが今ひとつ見え味に満足できないものがありました。

初代ブルー(16×70)が帰ってきて改めて見比べてみると、やっぱり圧倒的に16×70の方が(星を見る限りは)楽しいです。

その違いはいろいろあるかも知れませんが、大きなところはやはり見かけ視界にある気がします。

16×70は実視界5°、旧JISでは見かけ視界80°となります。

セレストロンの12×70は実視界4.3°、見かけ視界は52°ほど

16×70は倍率が高い上に実視界も見かけ視界も広いので迫力と没入感が全く異なり、更に倍率が高いぶん背景が締まって微光星が浮き上がってくるので、視野内に見える星の数が大幅に増えて豪華な見え方になります。(あくまでも個人の主観ですが12×70と較べるのがかわいそうなほど楽しいです。)

経験上見かけ視界が60°未満だと視野の外周部が白けて見える現象(私は暗順応リングと呼んでいます)が目立つのですが、12×70は瞳径が5.8mmとわりと大きく視界が明るいので暗順応リングがより気になり見え味に影響しているようです。

このクラスは手持ちではかなり苦しいので使いどころが限られはするのですが、12×70でも天体用としては8×42や10×50とは別世界の見え味になるので、初代ブルーの復帰は嬉しい限りです。
(ビクセンではすでに絶版ですが現状ではサイトロン社で15×70という製品がわりと手頃に入手できるようです。ここで紹介した12×70よりも見かけ視界がだいぶ広い(64°)ので楽しめそうな気がします。)

スタパオーナー について

たくさんのかたに星空の美しさ、楽しさを知って頂きたくて、天体観測のできるペンションを開業しました。
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帰ってきたブルー(ビクセン16×70双眼鏡) への2件のフィードバック

  1. のぶお のコメント:

    スタパオーナー様

    いつも読ませてもらっています。

    初代ブルー(16×70)は素晴らしそうですね。
    私もセレストロンの12×70が欲しくなりました。

    ところでこういう高倍率の双眼鏡を使うときは、どのような観望姿勢で行っておられますか?
    (立って、または、座って、手持ち? ビノホルダー? 寝て手持ち?)

    私は6倍程度の低倍率の双眼鏡でも、手ブレが気になってしまいます。

  2. スタパオーナー のコメント:

    のぶおさま

    セレストロンの12×70(絶版品)は(記事にも書いていますが)見かけ視界が狭いのであまりお奨めしません。
    現状ですとサイトロン(=セレストロン?)の15×70がお奨めです。

    さてこの手の大型双眼鏡を使用する場合、長時間じっくり見るなら三脚に載せるなど固定した方が圧倒的に細かいところまで見えるようになり、最微星の等級も一段上がります。
    ただし通常の三脚では地平高度60°以上は覗くのがかなり苦しくなるのでひと工夫必要ですね。

    実はこの辺のところもブログネタにしようと思っているので(ここで書いてしまうとネタバレになってしまうので)もう少しお待ちいただければと思います。

    一部ネタバレですが過去にはこんな記事<https://star-party.jp/wp/?p=14713>も書いていますのでご参考まで。

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