コンデジで天体写真を撮ろうⅡ その4

暖かな日が続いています。

 

このまま春になってしまうのでしょうか・・・

さて、コンデジシリーズの続きです。

昨日は望遠鏡にカメラをつなげて写真を撮る方法の解説をしました。

レンズの取り外せないコンデジでは必然的に「コリメート法」によりカメラで
望遠鏡を覗かせる方法しかできないことがわかると思います。

このコリメート法という撮影手法はフイルムカメラの頃からあって、高価な
一眼レフを使わなくても手軽に拡大撮影ができることから、入門者にも始め
やすい方法として紹介されることが多かったと思います。

でも使用するカメラの性能面の問題もあり、月や惑星など特に明るい天体以外の
作例はほとんど見かけませんでしたし、なかなかうまく撮れずに挫折してしまう
人が多かったようです。

デジカメでコリメート撮影を使用とするとすぐにわかるのですが、カメラに
うまく望遠鏡を覗いてもらうのはなかなか難しいものです。

望遠鏡側の接眼レンズとカメラレンズの相性があったり、接眼レンズ自体の
アイレリーフやアイポイントの許容範囲などからくるカメラの取付位置の難しさ
があって、写しているときに確認のできないフィルムカメラでは成功率が
とても低かったのではないかと思います。

下の写真はビクセン製接眼レンズ「NPL40mm」を使い手持ちのカメラニコン
クールピクスP5100でコリメート撮影をする場合のベストポイントです。

 

接眼レンズとカメラレンズの間隔が意外に広いことが分かると思います。

ベストポイントではカメラの写角内に視野円が写り、視野円いっぱいに風景が
写ります。

 

このレンズ間の距離がほんの数ミリ前後しただけで・・・

 

視野が狭まり視野端がボケてくるのが分かると思います。

また、各レンズの光軸(中心)がほんの少しずれたり、傾いただけで視野に影が
でて来ますし、ひどい場合にはブラックアウトしてしまいます。

 

上はカメラがほんの少し傾いた場合で、視野円左側に影が出はじめています。

昼間の風景であれば撮ったその場で影が出ているのにすぐに気づきますが、
暗い天体写真だと後にならないと気づきませんし、撮影中に暗い対象相手では
ズレの修正が効きません。

上は同じ条件なのに光軸が合っているときと、大きくずれているときの比較です。
暗闇の中では大きくずれていても、よく見えなくて右の写真のような失敗作を
量産してしまう場合があります。

この組み合わせですと月や風景など明るい対象でも手持ちで撮影するのは
かなり苦労すると思いますし、フィルムカメラではレンズの相性が悪くて
あきらめなければならない組み合わせと言えます。

このような組み合わせの場合にはアダプターや、治具を使っての撮影がベターです。

組み合わせによっては、カメラレンズと接眼レンズをピッタリ付けてちょうど
良い状態になったりすることもあるので、やってみないとわからないというのが
実情です。

傾向としてはカメラレンズの前玉(一番前につているレンズ)の径が接眼レンズ
より極端に大きいとケラレが生じやすくなります。

ズーム比の大きなネオ一眼機種や大きなレンズが一般的な一眼レフはコリメート
撮影に不向きです。

天体写真向けコンデジ選びの中でネオ一眼タイプを除外したのはこのためです。

さて、レンズの相性や位置合わせの難しさなどマイナス面の話ばかりで恐縮ですが
これ以外にも他の撮影方法と比べるとたくさんのレンズを使ったシステムですので
像があまく、同じF値でも暗くなるなどのマイナス面があります。

マイナス面ばかりが目に付くコリメート法なのになぜ今コリメート法にこだわる
のか・・・ 次回以降に説明したいと思います。(^^;)

スタパオーナー について

たくさんのかたに星空の美しさ、楽しさを知って頂きたくて、天体観測のできるペンションを開業しました。
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