組立天体望遠鏡で電視観望 その3

今日も好天が続いてくれています。

上は昨晩の星空、スタパの煙突から天の川が立ち上るようです。

さて昨晩は「組望15改」で眼視観察を楽しみました。

ボーグの片持ち赤道儀に載せ超お気楽星見。

プルーセル25mm/11倍でファインダー無し導入。

そのままアンドロメダ銀河、プレアデス星団、オリオン大星雲、二重星団などを一巡り。

SVBONY3-8mmズーム接眼(34-90倍)で木星、土星ほか幾つかの二重星を見たりオリオン大星雲をクローズアップして見たりとかなり楽しめました。

木星は4個の衛星はもちろん縞も何とか見え、土星は輪がしっかり見えました。

口径わずか4cm、超安価な望遠鏡で肉眼とは全く異なる世界が垣間見られるのはある意味脅威です。

おっと・・ 本題はこの望遠鏡での電視観望でした・・・ね。

本当の脅威はこれから・・・

昨日は銀河・星団系の作例を紹介したので今日は星雲系をメインに紹介して行きます。

まずは冬の星雲と言えば、超ド定番オリオン大星雲です。

この星雲はとても明るいのでかなり抑え気味の処理にしています。

それでも肉眼とは全く違う世界が見えてしまうのが電視観望ですね。

肉眼ではかなり見えづらい(と言うかほとんど見えない)けれどド定番なのがこちら、

バラ星雲です。

赤道儀の極軸合わせが「だいたい真北はこのあたり」と言うレベルのいい加減なものなのでガイドズレが激しいですが、32sec×39fl(624sc)のスタックがしっかり効いて、夜空のバラが見事に写ります。

肉眼で見えない天体でもSharpCapのプレートソルビングもしっかり効いてど真ん中に導入してくれるのがありがたいです。

それに気を良くして極めて目に見にくい対象、

オリオン座の馬頭星雲と燃える木星雲です。

さらに肉眼ではまるで見えない対象、

オリオン座のモンキーヘッド星雲です。

肉眼で見えない世界が楽しめるのが電視観望の醍醐味でもあるのですが「組望15改」で見えてしまっていいんですかぁ~?と言った感じです。

下はクリスマスツリー星団(NGC2175)です。

この星団、コーン星雲という天体と一緒にあるのですがかなり淡いのでこの画像では「分かってる人が見ると存在が分かる」レベルにしか写りませんでした。

そして「組望15改」で電視観望に挑戦することになったきっかけのカニ星雲(M1)、

口径4cmなので解像度的にはこんなものかと思いますが、少し真面目に画像を重ねて見ました。

304sec(8sec×38)の画像を8枚コンポジット後、星雲部分をピクセル等倍で切出したものです。(少しだけ解像度が上がったかなぁ~・・と言う感じですかね。)

下は15cm反射(Vixen R150S)で撮影したカニ星雲。

15cmニュートンにて撮影

違うと言えば違いますが、組望15改も良く健闘していると思います。

さて組望15改での電視観望最後は、おおぐま座の銀河M81-82です。

トータル15分の露光なのでガイドズレが激しいですが、銀河の部分は破綻していないので良しとしました。

以上、改造した星の手帖社製「15倍組立天体望遠鏡」による電視観望の実例を紹介しました。

撮影方法として赤道儀の極軸はだいたい真北、ピント合わせもCMOSカメラのスリーブ抜き差し、ダークもフラットも撮らずに眼視観望のついでに撮影といった超いい加減な環境での作例です。

作品というのにはおこがましいですが、電視観望でいろいろな天体をリアルタイムに見るという観点ではかなりいけてると思います。

Seestar-S50などのスマート望遠鏡もお手軽で楽しいのですけれど、眼視観望への対応や拡張性とか微妙な設定の自由度などを考えると(少しハードルは上がるのですけれど)こういったシステムからスタートするのも有りだと思います。(個人的には圧倒的にこちらが好きです。)

スタパオーナー について

たくさんのかたに星空の美しさ、楽しさを知って頂きたくて、天体観測のできるペンションを開業しました。
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組立天体望遠鏡で電視観望 その3 への3件のフィードバック

  1. 大石 賢 のコメント:

    スタパオーナー様

    今年も新しい情報を楽しみにしています。

    4㎝での電視観望ライブスタック画像は想定以上の見え方ですね。

    ところで、スターパーティー観望会での電視観望はどのように
    進めていくのでしょうが。

    先日、地元の天文グループに依頼され、中高校生の天文部合宿会場で
    電視観望で天体を説明したのですが、導入 → ライブスタック → 説明の
    一連の手順に7~8分の時間がかかり、参加者が待ちきれない様子です。

    コリメート光学系で露出時間が短くても待ちきれないのであれば
    もう一台機材を用意して、相互に予め導入しておくなどの対応が
    必要でしょうか。

    アドバイスいただけますでしょうか。

  2. スタパオーナー のコメント:

    大石さま
    スタパでは原則40cm望遠鏡で眼視観望、同架のED102S電視観望という使い分けをしています。
    天体を導入している時間に対象天体の概要説明、
    導入後ゲストに40cm望遠鏡で観察して頂きながら、ED102Sでライブスタック開始、
    高ゲイン(400前後)、短時間露光(4~16秒、対象による)、ビニング2の設定です。
    この設定だとSharpCap上でセカンドショットくらいからある程度見られる絵になるので、天体の詳しい説明をしながら全員が見終わるまでのあいだ解説をします。
    参加者の人数にもよりますが1天体3分~5分程度で廻します。
    参加者が多いときには約1時間の観察会で7天体くらいを目標にご覧頂きますが、参加者が少ないときは20天体くらい見て頂くこともあります。

    導入のスピードやスタックしてある程度見られる画像が得られるまでの時間は使用機材によって変わるので何とも言えないのですが、スタパの場合はどちらかと言うと眼視観望がメインで、そちらを順番に見て頂きつつ電視観望の画像も見て頂くというスタイルなのでそれほど待ちきれないという状況は発生していないと思います。
    あまりご参考にはならないかも知れませんね・・・

  3. 大石 賢 のコメント:

    スタパオーナー様

    アドバイスありがとうございます。

    やはり2台でそれぞれ見ていただく必要がありそうですね。

    機材をもう1台用意するか、待っている間に予め用意した画像を
    見ていただくためのサブPCを準備しようと思います。

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