月を味方にする (1)

以前にも書いたのですが、天文ファンの方の多くは月の明るさをとても嫌う方が
多いです。

確かに夜空に月があると、暗い星は見えなくなって、天の川も見えなくなります。

暗い星雲星団は月明かりや光害があればてきめんに見えなくなります。

満月の日などに普段のように天体写真を撮ろうと思っても、まるで昼間のように
写ってしまい、空は黒くならず青空のように写ってしまいます。


写真は曇った満月の夜。昼間のようですが星がひとつだけ写っているのが分かりますか?

ですから少しマニアックになってくると、とにかく月のない夜にしか星を
見なくなってしまう方が多いわけです。

もちろん、ひとくちに天文ファンといっても様々なジャンルがあって、洋服の
趣味が人それぞれなように、星見のスタイルも千差万別なので一様に語ることは
できないのですが・・・

できるだけ月に邪魔をされずに星を見られる時間が長い日を狙おうとすると、
そんな日は一ヶ月のうち新月を挟んだ1週間くらいしかありません。

その内スカンと晴れる日というのは確率的に考えてあまり多いとは言えないです。

太平洋側に限っていうなら、夏なら1日か2日、冬でも3日から5日といった
ところでしょう。

正直なところ理想的な星空が一晩中楽しめるような日というのは驚くほど
少ないと言ってよいのです。

まあ、満天の星空というのがたまにしか見られないからこそ、何度も何度も
挑戦する価値があるとも言えるのですが、確率の低さを考えるとかなり疲れる
挑戦でもあると思えます。
(ちょっとした雲の切れ間とか、月が昇るまでの間とかの短時間ならもう少し
確率は高まりますし、それほどヌケのよくない空だがとりあえず見えるという
レベルの日ならわりと多いですが・・・)

ずいぶん前置きが長くなったのですが「月があるときは星を見ない」という
星見スタイルにこだわってしまうと、星を見ることのできる確率が極端に
低くなってしまい、星への興味自体が遠のいてしまうのではないかと思える
のです。

そこで、月があったならあったなりの星見スタイルを見付けられれば、オンと
オフがなくなって、星空の下にいる時間が飛躍的に長くなり、より星に親しむ
ことができるようになるわけです。

さらに月を味方にするような星見スタイルになれば、晴れていればいつでも
夜が来るのが待ち遠しくなります。

そんなわけで月を味方にする方法について少し語って行きたいと思います。

続く・・

スタパオーナー について

たくさんのかたに星空の美しさ、楽しさを知って頂きたくて、天体観測のできるペンションを開業しました。
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