望遠鏡を買う前に-Vol.4

 今年も国立天文台のかたが直々に野辺山観測所の特別公開のパンフレットを持ってきてくださいました。

親サイトの耳寄り情報コーナーでも紹介していますが今年は8月6日(日)が特別公開日です。45mのパラボラアンテナ式電波望遠鏡をグリグリぶん回す(これ、すぐ近くで見るとすごい迫力です。)だけでなく、いろいろなイベントもありますのでぜひ一度ご覧になると良いと思います。
この前後のスター☆パーティはすでにほとんど満室ですので、他の宿をご利用いただくか、日帰りになってしまうのですが・・・

さて、夏休みが本格化する前に「買う前」シリーズをもう少し進めます。

望遠鏡を買う前にするべきこと-その2

自動導入ならOKか?
最近では目的の天体を望遠鏡が探してくれる自動導入という機能の付いたものも多く出回っているので、「別に知識が無くてもよいのでは?」と思われるかもしれません。でもこの自動導入機、セッティングにちょっとしたコツがいることが多いですし、セッティングには少なくとも2つの大きく離れた星を手動で導入してあげる必要があります。だいたいはその星の近くまで自動的に向いてから「ベガを入れて」、「ベガが中央に来たら、今度はアンタレスを入れて」というようになります。でも、ベガやアンタレスの何たるかを知らなければ対応のしようがありませんし、空が開けた場所でないと、このようなセッティングができないこともあって、実は初心者には意外に敷居の高い物なのです。
 さらに言うと、自動導入機のエントリーモデルは卓上型で、屋外用の三脚はオプションになっていることが多いです。

でも、冷静に考えてください。望遠鏡うというのはかなりの高倍率を使うものなので、卓上型の望遠鏡を使うためには、そうとうガッチリとしてガタつきのないテーブルが必要になるのですが、そう都合よくそんなテーブルが外に置いてあるとは限らないのです。公園などに行けば・・・と思われるかもしてませんが、公園のベンチやテーブルというのは、くつろぎやすいように日陰になりやすい場所に置いてあることが多く、星を見ようとすると視界が悪くて困ることが多いです。とても視界の開けた場所にポツンとガッチリしたテーブルが置いてあるというのはかなりレアなケースではないかと思います。
三脚がないと持ち運びがすごく楽ではあるのですが、そのぶんどうしようもなく使いづらいものであるということができます。
また、小口径の望遠鏡で見る天体(特に星雲・星団)というのは非常に頼りない見え方をします。図鑑などの天体写真を想像して見ると、ほとんど見えるか見えないかの状態にガッカリしてしまい興味を無くしてしまいかねません。事前に自分の望遠鏡でどの程度見えるのかという知識もないと、微かな光の天体が見えたことの感動を味わうことすらできずに終わってしまいます。
つまり自動導入機といえども最低限の星座や星の名前と場所、見るべき天体の素性などの知識が無いと、充分に天体観察が楽しめないということです。
先日発売された「日経トレンディ」(06/8月号)という物欲刺激雑誌に初心者向け望遠鏡の比較記事が掲載されていましたが、ここでも自動導入というのはある程度星座の知識が必要で意外に敷居が高いものであること解説されていて「初心者向けとして最高のお奨めはポルタだ」ということになっていました。
つまり知識もないのに「楽チンそうだから」という安易な考えで自動導入機を購入すると、かえって使いこなせずに押し入れに直行ということが起こりやすくなります。最低レベルでも実売5万円前後と高価な物だけに事前に充分な心構えをしてほしいと思います。

 自動導入に関してずいぶん否定的なことを並べましたが、うまく使いこなせば本当に便利で楽しく天体観察ができるものです。スター☆パーティのメインスコープ(40cm)だって自動導入のおかげで効率良く皆さんに星空散歩を楽しんでいただいているわけです。ある程度知識があるか、勉強を惜しまないかたならワンステップ上の楽しみを得ることができますので、ぜひ挑戦してみてはと思います。

スタパオーナー について

たくさんのかたに星空の美しさ、楽しさを知って頂きたくて、天体観測のできるペンションを開業しました。
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