ボディ沼(その2:Nikon1を買ったわけ)

今日も良い天気

様々な花がほんとうに次々咲いています。

さて今日は昨日スルーしたNikon1 V1を買ったわけについて少し詳しく説明
したいと思います。(話はマニアックですのであしからず・・)

昨日は、月の直焦撮影用として、星雲星団のコリメート撮影用として、
お散歩用カメラとして気になっていたカメラですと説明したのですが、
それぞれについて説明しておきます。

まずはじめに「月の直焦撮影用」です。

35mm版カメラで月の直焦撮影をすると月はフィルム上(=センサー上)で
レンズの焦点距離の約1/110の大きさに写ります。
(ex.1100mmの望遠レンズならフィルム上で10mmの大きさに写ります。)

写る月の大きさがあまり小さいとトリミングしても解像度が得られなくなり
ますので、35mmフィルム(35mm×24mm)の上で適度な大きさ(20~15mm)に写すのが
ベターです。

レンズ(望遠鏡)の焦点距離としては2200~1650mmあたりがちょうど良いという
ことになります。

ところでデジカメの場合様々なセンサーサイズの規格があって、フルサイズ
(35mm版と同サイズのセンサー)以外はフルサイズと同じ画角が得られる焦点
距離の比率が明記されています。

・APS-Cサイズは1.5(または1.6)倍
・マイクロフォーサースは2.0倍
・Nikon1は2.7倍
・PENTAXQは5.5倍

これに当てはめて月の直焦撮影用にベターな焦点距離を求めて行くと

・APS-C        :1400~1050mm
・マイクロフォーサース:1100~ 825mm
・Nikon1       : 815~ 611mm
・PENTAXQ     : 400~ 300mm

という結果になります。

普段私が月の直焦撮影に使用している望遠鏡はラプトル50(焦点距離600mm)
なので上記の選択の中でベターなのはNikon1のセンサーサイズということに
なります。

というわけで「月の直焦撮影用」にとても気になるカメラであるということに
なったわけです。

次に「星雲星団のコリメート撮影用」としてです。

コリメート撮影のメリットとして縮小光学系といって、接眼レンズとカメラ
レンズの焦点距離組み合わせにより、主鏡のF値を大幅に小さくできることが
あげられます。

F値を小さくできれば短時間で暗い天体を撮影することができるので、お手軽
撮影が可能になるからです。

縮小率は単純にカメラと接眼レンズの焦点距離の比で求まります。

たとえばカメラレンズの焦点距離:10mm、接眼レンズの焦点距離:40mm、
望遠鏡のF値:10とすると合成F値は

合成F値 = 望遠鏡のF値 × (カメラの焦点距離 ÷ 接眼の焦点距離)
= 10×(10÷40)
= 2.5

となり、口径比がF10の望遠鏡でもF2.5というかなり明るいレンズとして使用
できることになります。

カメラレンズの焦点距離が短いほど、また接眼レンズの焦点距離が長いほど
合成F値は小さくなりますが、カメラレンズのF値より小さくしても意味が
無いので、カメラレンズのF値に合わせて縮小率を設定します。

またカメラレンズの画角は(接眼レンズの見かけ視界にもよりますが)35mm版で
50~28mmのレンズの画角がベターです。

Nikon1の薄型広角レンズ(f=10mm/F2.8)は27mm相当の画角なので、そのまま
上記(接眼レンズ40mm)の組み合わせでベターな組み合わせということになり
ます。(厳密にはF値が少し損をしていますが・・)

マイクロフォーサースのセンサーサイズになると28mm相当の画角の焦点距離は
14mmとなって上記の式に当てはめると合成F値は3.5になり、シャッター
スピードが倍近く損をすることになります。

センサーサイズのもっと小さなPENTAXQやコンデジを使えばカメラレンズの
焦点距離がとても短いので、もっと自由な組み合わせが選べるようになるの
ですが、高感度性能の面で無理が出るのできれいな写真にするにはたくさん
撮影してコンポジットしなければいけなくなります。

そんなわけでスタパの40cm望遠鏡と40mmの接眼レンズとの組み合わせという
意味ではNikon1がおもしろい落としどころになるというわけです。

月にしても星雲星団にしてもまだ実写していないので何とも言えないのですが
「とても気になっていた」のはこういった理由からです。

さてずいぶん長くなってしまいましたが、最後に「お散歩用」についてです。

私がお散歩用カメラに望むことは次のようなことです。

・1kg以下:首にぶら下げたとき重いと肩が凝るので
・片手で撮れる:犬の散歩で片手がふさがるので
・ファインダー付:老眼で液晶が見えないし、日光の下で撮ることが多いので
・良く撮れる:ピンぼけや、不適切な露光が多いとストレスになるので

ここ数年はパナのネオ一眼コンデジLumixFZ-28を使っていたのですが、上記の
「良く撮れる」という部分で結構ストレスを感じていました。

今日の冒頭の写真の風景写真ならば、まあまあそれなりに写りますが、2枚目の
接写系の写真を撮ろうと思うとかなりのストレスでした。

より画質のよい・・ということでLumixG3(マイクロフォーサース)を使って見た
のですが、センサーサイズの大きいぶんボケが出やすくなり、ちょっと暗い
環境下ではやたらとピントがシビアーになって片手撮りはかなり厳しかった
です。

お手軽ということで普通のコンデジや、PENTAXQも使うのですが液晶が見えて
いなくて、パソコンに落としてから「あちゃー・・」いうことが頻発します。

そこでピントが早くて迷わないという評判の高いNikon1が気になっていたという
わけです。(昨日と今日の冒頭の自然写真はV1で撮影しています。)

ふーーっ!

というわけで、マニアックな独り言にお付き合いいただきありがとうございました。

スタパオーナー について

たくさんのかたに星空の美しさ、楽しさを知って頂きたくて、天体観測のできるペンションを開業しました。
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