昨晩はとても星のきれいな夜でした。
そして今朝はとても良い天気。
八ヶ岳の主峰「赤岳」がことのほかクッキリと近くに感じられました。
午後には少し雲が広がりましたが、高原大橋の眺めはまるで絵葉書の
ようです。
さて昨日の続き。
ミザールのミニスコ(D80mm、f400mm)に正立プリズムを使うと像が
暗くなってしまうというのが昨日の話でした。
もちろんプリズムを介せばプリズム内での光の減衰は当然あるのですが、
感覚的にそれ以上の明るさの減衰があるように思えます。
そこで正立プリズムの有無により射出瞳(しゃしゅつどう)の違いを
見てみることにしました。
射出道というのは接眼レンズから出てくる光の束の径で、望遠鏡を
明るい壁などに向けて目を離して見たときに接眼レンズの中に見える
白い丸になって見えます。
この射出瞳の大きさは
射出瞳径(mm) = 口径(mm) ÷ 倍率
という関係式で求めることができます。
つまり口径に対して倍率が低いほど射出瞳が大きくなり明るく見える
ということになります。
通常は人間の眼の瞳径が最大でも7mmなので、これ以上大きな射出瞳は
無意味で(本当はそんなことは無いのですが)、昼間はもっと瞳が小さく
なるので昼間使う風景望遠鏡ならもっと小さな瞳径でも充分という
ことになっています。
射出瞳の説明はさておき、正立プリズムの有無で射出瞳が変わるか
どうかを確かめて見ました。
まずはプリズム無し
次はプリズム有り
カメラの位置が変わっているのでわかりにくいかも知れないですが、
プリズム有りの方が少し小さく見えます。
実際に測定するとプリズム有りの方が2割ほど射出瞳が小さくなって
いました。
同じ倍率で射出瞳が2割小さいということは、何らかの理由で対物
レンズの周辺部分がケラレ、口径が2割小さくなったのと同じ光量
しか使われていないということになります。
80mmの口径がその8割の64mmの口径しか使われていないことになり、
光量も3分の2になっています。
昼間ならそれほど問題は無いですが、夜使うと見える星の数がかなり
違ってくることが考えられますので、何とか改善したいと思います。
(続く)