シュミカセンジャー オレンジ

終日(ひねもす)のたりのたりかな・・・ という感じに暖かく霞んだ一日。

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残念なことにゆっくり下り坂の天候で夜にはすっかり曇ってしまいました。

さてシュミカセンジャーズの紹介4台目、今日はシュミカセンジャー オレンジです。

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正式名称はセレストロンC11 (口径280mm、焦点距離2800mm)です。

スタパのシュミカセの中では一番古株で、スタパの望遠鏡全体の中でも2番目に古くからある望遠鏡です。

私が20代の時に購入しているので30年以上前からあるものです。
(実はこれを購入する以前にC8という口径20cmの望遠鏡も所有していたのですが、結婚して住宅事情が許さず、C8は泣く泣く手放しています。)

独身時代に移動用として最大級かつ独身最後の望遠鏡ということで購入しました。

気流が良くて、温度順応をしっかりすれば本当に良く見える望遠鏡でお気に入りではあったのですが、やはり大きすぎて使うのが億劫になりがちなのと、購入時に純正として付いてきた架台が貧弱であったので、スタパに来てからはほとんど出番がありませんでした。
購入当時セレストロンはビクセン扱いで、その時点でビクセン最大の架台(センサー型)と組合わせて販売されたのですが、それでもトップヘビーで架台が負けていました。
(後にビクセンはさらに大型の赤道儀(アトラクス)を開発して鏡筒に負けない組み合わせを販売するようになりますが、それは結婚して私の天文暗黒時代に突入してからのことです。)

先般、開業当初からの懸案であったオレンジの重さに負けない大型赤道儀(ロスマンディG11)を入手し、赤道儀の屋外常時設置の体制が整ったのでわりと気楽に活用できるようになりました。

G11赤道儀の導入によりシュミカセンジャーズのフル稼働が可能になったともいえます。

ここではG11赤道儀を据置型として三脚を固定していますが、移動用の三脚も準備しているので出前観察会でもオレンジの出動が可能になっています。

今回のシュミカセンジャーズの一斉比較で改めてこのオレンジの存在意義の大きさに気づきました。

G11赤道儀に搭載されたオレンジはとても安定感があって気持ちよく使えますし、見え味もかなり良いです。

星雲星団に関してはホワイト(40cm)の迫力には負けますが、それでもM天体は一通りそれなりに見えますし、M3クラスの球状星団なら充分に星が分離して見えます。

どうしてもホワイトとの比較になるので、可愛そうな部分もあるのですが今回のコンディションでは木星はオレンジの勝ちでした。

言葉で表現するのは難しいのですが、大きな口径の望遠鏡で木星を見ていると気流によるユラユラがなかなか治まらず細かいところが良く見えないのですが、ときおりフワッと気流が治まり細かい部分が見える一瞬があります。

このフワッと見える一瞬がホワイトでは10秒のうちの0.5秒間くらい、オレンジでは2~3秒という感じで細かいところが見える時間がスゴく長い感じがします。

ホワイトの0.5秒の時にはオレンジよりも細かいところが見えている気もするのですが、オレンジのほうが良く見えている時間が長いので、トータルとしてオレンジのほうが良く見える感じでした。

使用する倍率にもよるかも知れませんが、適正倍率で使用している範囲では大赤斑やベルトなど模様の色もホワイトに劣ることなく見えていました。

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上はその時にホワイト(40cm)で撮影したものです。

撮影した後に気流がさらに安定して、肉眼では上の写真よりもっと細かいところまで見えていましたし、模様の色はもっときれいに見えます。

十分な安定感のある架台に載った、この性能の望遠鏡が移動用として使えるならとても価値があると思えました。

永らく出番の少なかったオレンジですが今後はもっと活用したいと思います。

スタパオーナー について

たくさんのかたに星空の美しさ、楽しさを知って頂きたくて、天体観測のできるペンションを開業しました。
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