今日はなかなか良い天気の一日でした。
「梅雨が明けたよ」といわれたら「そうなの~」といってしまいそうな爽やかな天候でした。
そんなわけで(?)今日も「星景写真入門」の続きです。
1.星景写真と昼間の風景写真の違いを知ろう(続き)
昨日は明るさの違いについて説明したのですが、今日は別の意味の明るさの違いについて説明します。
風景に限らず普通の写真というのは基本的に順光といわれる被写体に光がうまく当たっている状態で撮影します。
被写体をいかにきれいに見せるかが重要なわけで、あまり影がきつくならないようにライティングに気を使うことが多いわけです。
もちろん逆光撮影という表現手法はあるのですが、それほど一般的ではありませんし、その場合はきれいに見せるというより、絵としての印象を重視するような表現手法の場合が多いです。
さてそれでは星空の写真というのはどんなものなのでしょうか?
上の写真を見て頂くと、夜空の写真なので当然ですが全体としては暗いイメージです。
ても明るい星や街明かりに照らされた雲の部分は完全な露出オーバーで白飛びしている部分があります。
また暗い部分でも木立の部分は完全に真っ黒になっています。
つまり超露出オーバーな部分と超露出アンダーな部分が共存する写真だと言えるのです。
ここで少し話は変わるのですがカメラが「こんなふうに写ったんですけど」と出力する絵のデータというのは、カメラの受光素子が集めた光の情報を「画像エンジン」と呼ばれる画像処理ソフトが眼で見たものに近い感じになるように、得られたデーターをあれこれ処理した結果です。
最近の「画像エンジン」はずいぶん進歩していて、普通の写真であればカメラがはき出す絵(JPG画像)をそのまま使ってもそれほどおかしくは感じないようになっています。
でも受光素子が集めたデータをエンジンが良かれと思う絵にするために不要な部分(極端に明るい部分や暗い部分)を切り捨て圧縮してしまいます。
昼間の写真なら問題が無いのですが、上記したように星空の写真は極端に明るい部分にも、暗い部分にも実は大事な光の情報が隠れている場合があります。
ですからカメラが「こんな感じですけど・・」と出してきたデータが正しいと思うのは大間違いだということになります。
銀塩フィルム時代からの写真ファンのなかにPCに取り込んだ画像を処理することを「邪道だ」と言い切ってしまう方がとおりいます。
カメラがはき出すJPG画像こそが正しいものでパソコンで画像処理をするなんてとんでもない・・・ということになるようです。
でも、くどいですがカメラがはき出す画像というのは「昼間の写真ならこんな感じなんですが・・・」というものですから、何らかの形で画像処理をしてあげないとあまりインパクトのある絵にならないことが多いです。
上は右がリサイズのみのJPG画像、左はそれを画像処理ソフトで「明るさ」と「コントラスト」のスライダーをチョイチョイと動かして30秒と掛からずにできた画像です。
好みの問題もありますが(右側の方が見た目に近い)、インパクトは左が勝ると思います。
星空の写真を撮って鑑賞に堪える絵にしようと思うと、PCでの画像処理がないとかなり厳しいと言えます。
(写し方や写す対象に依っては画像処理がほとんど必要ない場合もあります。一般論として捉えて頂ければと思います。)