驚愕! 望遠鏡は光り物に限る

今日も良い天気。

先日、反射望遠鏡はアルミ蒸着シートで包むと筒内気流を軽減できるということを紹介しました。

実際にセレストロンのC5やETX90に巻き付けて使用したところ、結構倍率を上げても二重性がきれいに見えていたので、鏡筒が短めのシュミカセやマクカセでもかなり効果があるように実感しました。

発案者のLambdaさまの予想では銀色のドームに設置された望遠鏡では放射冷却が少ないのでそれほど効果がないかもしれないとのことでした。

しかし経験的にドームを開放直後に観測を開始して1~2分の間にものすごくよく見えることが多いので、意外に放射冷却が無視できないレベルなのではないかと考え、40cm望遠鏡でもとにかく実験してみることにしました。

普段望遠鏡に同架しているサブスコープやファインダー、アクセサリーレールなどとにかく全部外して、シートを貼り付けます。

まるでハッブル宇宙望遠鏡のよう(?)です。

接眼側はかなりいいかげんですが・・・

ついでにシュミットレンズの清掃もしました。


さっぱりしたところで最大光輝に近い青空の中の金星を見てみました。

普段昼間金星を見ると(特に午後は)空気の対流が激しいようで、まともに金星が見えたためしがなかったので期待せずにみると・・・

ん~、、今日はコンディションがいいな、100倍くらいだと全然ぶれてないなぁ~

あれ以外に200倍くらいでも結構いけるなぁ・・・

そんじゃお言葉に甘えて400倍で・・、フンフン

この辺で鳥肌が立ち始めます。

試しに670倍・・・まだいけそうなので調子に乗って800倍!!

さすがに気流の影響は受けていますが破綻していないレベルの見え方です。

うちの40㎝で800倍を出すことができるコンディションはこれまで数年に一度しかなかったのです。

昼間なので今日がその数年に一度の状態であるとは考えられません。

ここまで効果があるとは予想外でした。

口で言っても信じてもらえないかもしれないので金星の写真を撮りました。

1000カット中上位40%をスタックしてコントラスト調整のみです。

ちなみに過去に撮影した似たような位相の金星。

こちらも同じような撮影条件でウエーブレット変換をしていますが、明らかに今日の画像の方が解像度が上がっています。

もちろん今日が最高のコンディションの日だったのかも知れないので、もう少し検証してゆきたいと思います。

ところで今夜も晴れ。

夕刻には月と金星がピンクと群青の中に輝ききれいでした。

いつものFC65で上を撮影した後、銀巻したC5でも撮ってみました。

実はこれまで何度C5で月を撮ってもなぜか屈折鏡筒で撮影した写真に敵わなかったのです。

F値が暗く露光時間が長いせいかとも思っていたのですが、満月のころとても速い露光でも負けていたので、筒内気流のせいだと思っていました。

この写真で比べてどうでしょう?

決して負けていない写真になっていると思います。

銀巻恐るべし、スタパの反射望遠鏡はすべて銀巻になりそうです。

スタパオーナー について

たくさんのかたに星空の美しさ、楽しさを知って頂きたくて、天体観測のできるペンションを開業しました。
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驚愕! 望遠鏡は光り物に限る への4件のフィードバック

  1. T-Studio のコメント:

    私も高倍率撮像での筒内気流(放射冷却)の影響に関しては以前からかなり着目していました。

    今まで空のせいにばかりされていた像の劣化は、実は鏡筒の構造にあるように感じています。
    昨年は引っ越し続き+天候不順のダブルパンチで検証できませんでしたが、この方法と共に効果が出そうな方法がありますので試せたらご報告します。
    (去年ブログネタに考えていました。)

  2. スタパオーナー のコメント:

    筒の構造による筒内気流の抑制ですか?
    面白そうなので楽しみにしていますね。

  3. 夏のオリオン のコメント:

    初めまして。
    オーナー様と八ヶ岳を挟んで星見を楽しんでいます。
    ホームページを時々拝見させて頂いておりますが、今回の「望遠鏡は光り物に限る」に興味を持ち即日シートを買い求めました。
    手持ちのC8に装着してみましたが、確かに今までとは違う見え方の様です。
    2重星の分離が楽になり、木星の衛星の影もくっきりと丸く見えました。
    星の瞬きが少ない夜でしたが、ネットのwindyで調べると上空4000~7000mは30~40mの風速の様です。
    その時の上空の温度を放射温度計で計ると-33℃以下(安物でそれ以下はLに成ってしまう)で、地面が12℃でした。
    よって、鏡筒の上面は熱放射をし、下面は熱放射が小さいか地面からの放射を受けると思います。
    それにより、鏡筒上面と下面とに温度差が生じて、内部で対流が起こるのではないでしょうか。 当然、筒内の上と下では空気の密度が異なると思います。
    数百円で出来る対策にとても興味が有り、これからの展開が楽しみです。

  4. スタパオーナー のコメント:

    夏のオリオンさま
    車に貼るアルミテープのような感じで、プラセボ効果のもあるのかも知れませんが、それでも今年はよく見える気がしています。
    特別にシーイングの良い日が多いのかも知れないし、実際に効果があるのかも知れないし・・・
    まあとにかくとてもお安く試せるので、ダメ元でいろいろためしてみたいと思っています。
    今後ともよろしくお願いします。

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