今日も雨模様の一日。
4連休に突入していますが、コロナのおかげで開店休業のスタパです。
そんなわけでひたすら望遠鏡遊び。
昨年の春に入手したETX-90、ミード社の自動導入経緯台とセットの鏡筒ですが、架台の具合が悪いのと、このサイズ感とこの鏡筒で自動導入にあまり魅力を感じなかったので、あえて1台の鏡筒として使用しています。
光学系としてはマクストフカセグレイン式(通称マクカセ)の口径90mm/焦点距離1250mm/F13.8と口径のわりにかなり長焦点で、屈折アクロマート並みのF値です。
見え味としては80mmの屈折(例えばポルタA80Mf)に負けることが多いです。
ただしコンパクトさは圧倒的なので、口径が90mmと思わなければそれほど腹が立つこともありません。
今年の夏は木星、土星、火星、金星の観察には絶好期(火星は深夜、金星は明け方)なので、ちょっとお出かけ用にはコンパクトで焦点距離が長くて高倍率が得やすいETX-90に活躍してもらおうと思っています。
スタパのETX-90はバリバリにカスタマイズしてあります。
これまでにもスポット的に紹介していることもあるのですが、どんなカスタマイズが施されているか何回かに分けて紹介したいと思います。
マクカセの光学系については以前「BKMAK150を使う」という記事で詳しく紹介しているのですが、設計上で非常に重要になるのは「遮光筒」と呼ばれる接眼部に主鏡から集束してくる光を導く部品です。
小口径になるほど迷光処理が難しく、遮光筒内の迷光を抑えるのがたいへんなのです。
遮光と迷光処理が完全でないと視野内のコントラストが下がり、見え味が劣化します。
スタパのETX-90の遮光筒には黒色の植毛紙を貼り付けてあり遮光筒内の迷光を防止しています。
どのくらいの効果があるか上の写真を見るとよく分かると思います。
貼り付けたのは上のようなシール式の植毛紙です。
全面シールにしてしまうと遮光筒内への挿入が困難だったため先端と後端のみ剥離紙を剥がしています。
剥離紙に縦に切れ目を入れて遮光筒内で皺にならないようにしています。
コントラストの低い惑星面の模様を観察するのに役立つと良いな思います。
オーナー様、
このコンパクトさは、本当にありがたいですね。同じ口径の屈折と比較するととても勝負になりません。ポータビリティという点で、カタデイオがどれほどありがたいか、という事を実感できる最適な機種だと思います。
一方で、見え味(特に惑星の高倍率性能)に関しては、シュミカセやニュートンに関しては20cmくらいまではあまり変わらず、それ以上の口径になるとグッと性能が上がるように思います。これはあくまでも私の私見ですが、C8とC9ではかなりの違いがあるように感じます。マクカセに関しては20cmを超えたものは使用経験がないのでわかりませんが、反射系の性能は惑星の眼視という点だけを見れば20cm以上か以下かが、ポイントになるのかも知れません。
小澤さま
ETX-90に関して言えば小さいわりに良く見える望遠鏡と割り切り、口径をあまり意識しないようにすれば良いと思っています。
またフリップミラー付のギミック感たっぷりの鏡筒と考えれば、さらにとても楽しい鏡筒だと思っています。
お気楽 月・惑星用と考えるとこのサイズ感は格別だと思います。