口径80mm合戦 その2

今日は曇りがちな一日。

昨晩見た80mm望遠鏡(一部100mmもありですが)比較、あくまでも個人的感覚ですが備忘録も兼ねて記しておきます。(今日はほとんど文字ばかりの回です)

昨日も紹介しましたが比較した機種は以下の通り
・ビクセン ポルタA80Mf(D80mm/f910mmアクロマート、ポルタ式経緯台)
・SVBONY  SV406P(D80mm 20~60倍 EDレンズ、K型経緯台)
・ケンコー SE-AT100N(D100mm/f450mmニュートン反射、SynScanPro自動導入)
・笠井   Pico-8(D80mm/f800mmマクカセ、SkyWatcherAZ-EQ AVANT赤道儀)

まずは木星の見え方比較、見え方の良い順は以下の通り
1 ポルタⅡA80Mf
2 Pico-8
3 SV406P
4 SE-AT100N

木星や二重星などは長焦点で高倍率が得意でコントラストの高いポルタⅡA80Mfがダントツ。

明るさはやや落ちますがPico-8が健闘しています。同じ80mmなのに同倍率だと明らかにポルタより暗いです。

SV406Pはズーム式フィールドスコープで最高倍率が60倍なので惑星向きではありませんが、とりあえずガリレオ衛星、本体の縞が何とか見えます。

SE-AT100Nはスタパにある個体が光軸不良で高倍率での観察がまともに出来ないため最下位となりました。(光軸を正確に合わるためには外科手術が必要なので、いずれ試みたいと思います。)

次にM45(すばる)の見え方比較順位
1 SV406P
2 SE-AT100N
3 ポルタⅡA80Mf
4 Pico-8

最も低倍率のSV406Pが1位ですが、口径の大きなSE-AT100Nとの差はごくわずかで好みのレベルです。

ポルタは倍率が低く出来にくい(30倍で見ています)のですばるを楽しむのにはやや視野が狭い感じがします。

Pico-8はポルタに近い倍率ですがさらに暗くなってしまいます。

オリオン大星雲(M42)ではまた順位が変わります。

1 SE-AT100N
2 SV406P
3 ポルタⅡA80Mf
4 Pico-8

SE-AT100Nは星雲の広がりがよく分かり、少し倍率を上げるとトラペジウムが4個ハッキリ見えます。(他の80mmではトラペジウムの4個目が少し見えづらかったです)
反射でも口径20mmの差がこんなに出るのかと改めて感じました。

SV406PはEDレンズなので色収差が少なく、20倍から60倍まで途中で星雲の見え方がドンドン変わって行くのが楽しかったです。

ポルタは倍率が高い分やや不利な感じです。

Pico-8はやはり暗くて星雲の広がりが捉え切れにくかったです。

で、結論

予想通りの結果で、F値の大きな高倍率向け望遠鏡か、低倍率が得意の望遠鏡かで見る天体の見え味の優劣がそのまま反映されました。

星雲星団に関して言えばSE-AT100Nが口径の差でかなり優位に立ちました。

お手軽さ+見え味のバランスの良さではSV406Pが良いですし、ポルタⅡA80Mfは何を見てもそこそこ良く見えて使い勝手良い優等生といった感じです。

Pico-8は口径のわりに明るさが感じられない機種ですが、大きさは他の筒に較べ圧倒的に小さく、取り回しに優れます。

80mmの望遠鏡と考えると残念に感じるのですがサイズ感から言えば60mmクラスの望遠鏡との比較が妥当かも知れません。

いずれ60mmクラスの望遠鏡との比較で評価したいと思います。

スタパオーナー について

たくさんのかたに星空の美しさ、楽しさを知って頂きたくて、天体観測のできるペンションを開業しました。
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口径80mm合戦 その2 への2件のフィードバック

  1. 小澤利晴 のコメント:

    オーナー様、
    pico8は、私も所有しておりましたが、オーナー様と全く同じ感想でした。やはりこれくらいの口径でカセグレン系となると副鏡の大きさが相対的に大きくならざるを得ないところが辛いですね。その点ニュートンは有利です。ただ、pico8の携帯性は常識を破るものとして評価ポイントではあります。

    ニコンの8cmF15アクロマートは流石の見え味でしたが、これは携帯性を全く無視したもの。長いから架台も一回り大きなものが必要ですし、取り回しという点では全くアウトですね。また、低倍率が得にくいので、広く広がった星雲星団には向かない、ひたすら月惑星専用です。

    その点、ボーグの7、6cmアポクロマートはバローを噛ませての高倍率から、アイピース1本の低倍率まで比較的汎用性も高く、地理回しも良いので使い勝手が良かったです。

  2. スタパオーナー のコメント:

    小澤さま
    ボーグ76mmアポなど短焦点鏡筒の出現によりF15鏡筒が駆逐され、今日では重箱の隅をつつくような見え方比較をするより使い勝手の良さが重視されるようになったと思います。
    よってF15鏡筒はマニア向けのニッチ市場以外での出番がなくなったということでしょう。
    Pico-8はその80mmF15とは対極にある機種で究極のコンパクト化を図りつつ、どこまで性能を犠牲にせずに製品化をするかを追求した機種であろうと思います。
    ウラを返せば始めから80mmF15と同じ見え方をすると思う方が大きな間違いと言えますね。
    総合的に見てこのコンパクトさがどこまで良い望遠鏡としてのアドバンテージとして活かせるかがカギになると思います。

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