眼の話(星を見るのに役立つ) -その10-

秋です!
 

う~~ぅッ・・ さぶっ!

今日も眼の話、

いきなりですが、問題です。

暗いところで暗順応が進むと錐体は働かなくなり、桿体だけでものを
見るようになります。
この状態でも星を見ると星に色があるのがわかります。(例えば、オリオン座の
ベテルギウスとリゲルでは明らかに色が違うのがわかります。)
桿体は色がわからないはずなのに、なぜ星の色がわかってしまうのでしょうか?

 

答え

結論から言うと、星に対しては錐体が働くため、色の違いを見分けることが
できます。

錐体の暗順応の明るさ以下になったからといって、錐体がサボって見る努力を
していないわけではありません。

自分(錐体)に見える明るさの光がきたときには、いつでも働けるように待機して
います。

星というのは理想的な点光源に近い光ですから、輝度(面積あたりの光)として
考えると(面積は小さいですが)、かなり明るい光といえます。

このため、1等星くらいまでの明るい星については、錐体が働き色がわかると
いうわけです。

ちなみに遠くにある街灯のランプの色や、家から漏れる灯りなどの色も
もちろん見分けることができますが、これも錐体が暗くてもめげずに待機
していてくれるおかげだというわけです。

さて、このように部分的にでも明るい光があれば、明順応が進んでしまい、
すぐに暗い星が見えなくなってしまうのでは?と心配になってしまいます。

というわけで、ついでというわけではないのですが、順応の話しに少し戻ります。

暗順応の話しのときに、左右の眼の順応は別々に進むので、暗い場所に出る
ときは少し前に片方の眼を塞いでおくと良いという話しをしました。

でも、さらに細かく観察すると、よほど強烈な明るさの差がある場合は別として
明・暗順応というのは細胞単位で行われているということが判ります。

例えば、暗い場所で明るい光源を一瞬見てしまったとき、眼の中に黒い残像が
残ることがあります。

また、暗い場所で夜空の中天を見たあとに、天頂方向に視線を動かすと
網膜上で地平線より下だった部分が白く(明るく)残像となって見えることが
あります。

残像の部分は明(または暗)順応が進んだ視細胞たちということになります。

また少し意味合いは違うかも知れませんが・・・、

暗順応のカーブが「A」の部分と「B」の部分が順応時間7分くらいのところで
折れ曲がって、不連続になっているのは錐体の順応と桿体の順応が
全く別々に進んでいるからだということもできます。

星がたくさん見える夜空では、明順応が進んでしまいそうですが、
空の面積からすると星が輝いている面積はとても小さいですから、
ごく一部分で明順応と暗順応が繰り返されているかも知れませんが、
全体から見ると暗順応したままといって良いレベルなのだと思います。

 

ところで、天体観測には赤いセロハンを被せた懐中電灯が付き物です。
これは眼の刺激が少ないからということになっています。

これって、眼の順応の面から考えて、意味のあることなのでしょうか?
緑や青のセロハンではなぜダメなのでしょうか?

これ、今日の宿題にさせていただきます。
もし時間があったら、明日までに考えておいて下さいね・・・ 

スタパオーナー について

たくさんのかたに星空の美しさ、楽しさを知って頂きたくて、天体観測のできるペンションを開業しました。
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