学生時代に描いた古い、ふるい惑星スケッチが、卒業後約30年して自分の手元に戻ってきました。
学生時代にそれほどまじめに観測していたわけでもないのですが、それでも木星をメインに火星、金星のスケッチが合わせて約100枚もあり、多くのスケッチには観測時の詳細な書き込みがあって、「こんなにまじめだったのかしらン?」と思ってしまいました。
これらのスケッチはこの30年間、卒業後も惑星の研究を続けていたOBが大切に保管してくれていました。ただ保管するだけでは学術的にほとんど価値が無いこと、本来の持ち主である作者に返却したいということで、学生を巻き込んでデジタル化をするというプロジェクトを立ち上げて、作業を進めてくれています。
アマチュア惑星観測の雄である月惑星研究会に所属する国内の主だった観測者のスケッチも、まとめてデジタル化しているので作業が完了すれば世界でも有数のアーカイブになるのではないかと思います。
数年前まではデジタル化しても記憶容量の問題で、アマチュアレベルではなかなか実現が難しかったのですが、ハードディスクの急速な高容量化と低価格化で可能になったわけです。学生時代に写真に写してフイルムで保管しようと試みたこともあったのですが、作業の煩雑さや、管理の問題で挫折しました。デジタル技術の進歩が可能にしたと言い換えることができると思います。
以前はアマチュアが惑星観測をするといえば、基本はスケッチまたはそれに付随した眼視観測が主体で、写真による観測はどちらかというとおまけ的なものでした。
でも最近ではデジタル技術の進歩により惑星をスケッチするより、デジタル写真やビデオにで撮影して、微かにしか写っていない模様を強力に補正する技術が一般化しました。このため、スケッチを採るより手軽に正確な画像が得られるようになってしまい、スケッチをする人が激減しているようです。
デジタル技術の進歩によりスケッチのアーカイブが可能になった替わりに、スケッチを採る人もいなくなったという皮肉な状況になっているようです。
