ABK023~026 わし座からはくちょう座への天の川クルーズ
いて座、たて座あたりの天の川を楽しんだら、双眼鏡をさらに上に振り、わし座、はくちょう座へと視界を移して行きます。
いて座からわし座のアルタイル付近まではとにかく星が細かく、その数に圧倒されてしまいあまり「星列」を探そうという気がおきなくなる感じがします。
(その分星雲星団はたくさんあるのですが・・・)
双眼鏡での眺めはそれはそれで圧巻なのですが、大河の下流域が水量(星の数)は多いけれど、だだっ広くて風景の変化が乏しいのに似ている感じです。
ただ、ただ圧倒的な星の数を楽しめば良いと思います。
そしてわし座からはくちょう座あたりまで天の川を遡ると、ほんの少し風景が変わってきます。
わし座のアルタイルからはくちょう座のくちばしの星(アルビレオ)に向けて双眼鏡を振ると、ややアルビレオよりにとても特徴的な星列が視野に入ってきます。
星の数が散開星団にしてはとても少ないですが星の配列がとても面白いです。
6個の星がほぼ一直線に並び、その先に水滴がぶら下がるように星が並んでいます。
これを逆さまにしてみると、コートハンガーにも見えることから、そのままコートハンガー星団と呼ばれています。
6~7等星で形作られていますので、条件が良ければ都会でも見つけることができるかも知れません。
私が双眼鏡向けの星群・星列をたくさん紹介したいと思うようになったのも、この星列を見つけてとても面白いと思ったからです。
ぜひ見つけてみて下さい。
別Noで紹介しますが実は「や座」も(やや広めの視界を持つ)双眼鏡向けの星座です。
都会だと肉眼では見えませんが、双眼鏡ならなんとか見えると思います。
都会ではコートハンガーを見つける前にぜひ挑戦してみて下さい。
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いつも勉強させていただいています。千葉県でも東京湾に面した工業地帯でゴルフ場までもがナイター営業を行っているので星空の条件が最悪の環境です。家の裏の広く暗い空き地で星空を楽しんでいます。アルビレオを見ていると、近くに定規で等間隔にマーキングしたような星列が気になっていたのですがやっとわかりました。コートハンガー なるほどぴったりですね。わかりやすい情報、ありがとうございます。
渡辺さま
コメントありがとうございます。
ベイエリアの劣悪な環境の中でもコートハンガーが見えるんですね。
実はこの星列は私が双眼鏡で星列探しを始めるきっかけになったものなんです。
はじめに見つけたときは何だかとても面白いものを見つけた気がして、
誰かがすでに見つけて名前を付けたいるのではないかと探したものです。
ほかにも面白いものがあるかも・・・・とやっているうちにいつの間にか
ABKカタログができあがったのですね。
ABKカタログには光害のある場所でも見える対象がたくさんあると思いますので
都会でもこれが見えたという情報もとても参考になりますので、
ぜひいろいろ探してみてください。
おはようございます
けさ(2022年3月8日午前5時)、10×70で東の空のや座の矢羽根αβδから視界を上に持ち上げたらすっぽりとコートハンガーが入ってきました。
これは楽しい星の並びですね。