スタパの貸出用望遠鏡 -その4-

今日はやや雲が多いものの、まあまあの天候でした。

ちょっと梅雨の中休みという感じでした。

さて貸出望遠鏡シリーズが続きます。

今日はスタパで販売している望遠鏡スコープテック3兄弟の紹介です。

スタパを開業してまだ間もない頃、初心者向けや子供向けに自信を持って進められる入門用の望遠鏡が市場にあまり出回っていませんでした。

ネットやホームセンターでは粗悪品と言えないまでもかなりグレーな商品が氾濫していて、特にトイグレードレベルの製品の中には気楽に「これを買ったらいいよ」とお奨めできる望遠鏡がほとんど無かったのです。

でも世の中、同じような事を考える方はたくさんいるもので、そんな状況を憂いて高品質な入門用望遠鏡の販売に乗り出した人がいました。

それが現スコープテック(販売開始時はスターライトコーポレーション)の大沼社長です。

スタパではゲストから望遠鏡の購入相談を受けることが多かったので、あれこれ口で説明するよりも「これを買いなさい」と言った方が説得力があるので、大沼さんにお願いしてスタパでも販売できるようにしたという経緯があります。

販売用の見本でもあるのですが、気軽に望遠鏡に触れて頂き使って頂けるように貸出用望遠鏡の一角をなしているのです。

☆貸出用望遠鏡No5:スコープテック ラプトル50(D=50,f=600 アクロマート)

小学生向けの入門機です。

詳しいレビュー記事はこちらこちらをご覧頂ければと思うのですが、子供向けの入門機と言ってもレンズは日本製の高級品ですし、鏡筒も迷光対策がしっかりしてあってもの凄く良く見えます。

私が中学生の時に購入したアスロト光学の50mm(F15)より確実に良く見えます。

ちょっと練習すれば月のクレーターはもちろん、土星の輪、木星の縞やガリレオ衛星など入門向けの天体がひととおり難なく観察することができる性能で、1万円前後で購入できる望遠鏡としては最高の見え味と言って良いです。

小学校低学年のお子さんでも1人で扱うことができるサイズ・重さなので、とりあえずお子さん向けの最初の1台としてお奨めできます。

☆貸出用望遠鏡No6:スコープテック ラプトル60(D=60,f=700 アクロマート)

ラプトル50の上位バージョンで、口径が60mmと10mm大きくなっています。

たった10mmの違いと思ってしまいがちですが、レンズの面積は44%も大きくなるので見え味はかなり変わります。

また架台も大幅に強化されているので、安定した観察が可能ですし、伸縮式三脚を使用しているので大人でも楽な姿勢で観察できるなど値段の差以上のメリットがあります。

詳しいレビュー記事はこちらのシリーズをご覧頂くとして、小学校高学年以上の入門用としてはラプトル50よりもこちらが圧倒的にお奨めです。

☆貸出用望遠鏡No7:スコープテック アトラス60(D=60,f=800 アクロマート)

スコープテック3兄弟の長兄、鏡筒の仕様はラプトル60に近いですが焦点距離は800mmと100mm長くなってより高倍率が出しやすい仕様になってます。

こちらも詳しいレビュー記事はこちらこちらをご覧頂ければと思います。

アトラス60の大きな特徴は架台が微動装置つきになっているところです。

微動装置により高倍率でも安定して天体を追尾することができます。

月や惑星をより高倍率で見てみたい場合や、月の写真を撮って見たいという場合には微動装置があった方が圧倒的に楽です。(惑星やその他の天体の写真を撮ろうと思うとかなりハードルが高くなりますので簡単ではないです。)

後付けで光学式ファインダーを追加できるなど本気で天体観察を始めたい方の入門機という位置づけです。

スタパオーナー について

たくさんのかたに星空の美しさ、楽しさを知って頂きたくて、天体観測のできるペンションを開業しました。
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スタパの貸出用望遠鏡 -その4- への6件のフィードバック

  1. 小澤利晴 のコメント:

    オーナー様、私は1969年から望遠鏡の趣味を始めましたが、あの当時から1970年代にかけての小口径長焦点屈折は非常にレベルの高いものが多く、特に五藤、ニコン、アストロに関してはハイレベルでした。長焦点ということもあったのでしょうが、ラプトル50が、当時のアストロ50mmF15と比べて確実によく見えるとのこと。だとしたら凄いことです。ただ、このご意見は、サイドバイサイドで同じ天体を見比べてのご評価でしょうか。

  2. 小澤利晴 のコメント:

    連続ですみません。わたし自身、ラプトル60の使用経験から、この望遠鏡はユーザー層、値段を考えれば非常に優秀だと言えると思います。。惑星もよく見えます。
    アイピースですが、ラプトル60は、31.7mmが使えるので手持ちのオルソで色々見たりしていました。ただ、ラプトル50と60に共通した高倍率側のアイピースにFというものがありますが、これは光学デザインはハイゲン近いものなのでしょうか。入門用としては必用十分な性能だと思いますが、一方で昔の長焦点屈折にまず必ずと言っていいほど付属していたのがHMです。HMはアイレリーフが非常に短く、瞳がアイレンズに接触するまで近ずけないと全視野が見渡せないという大きな欠点があるものの、長焦点屈折との相性はオルソの比ではなく、今はなくなってしまいとても残念です。昔のアクロマート屈折がよく見えたのはHMで使っていたというのも大きいとは思いますが、いかがでしょうか。

  3. スタパオーナー のコメント:

    小澤さま
    ラプトル50とアストロ50mmF15はサイドバイサイドで比較しています。
    アストロの50mmは長年愛用した歴戦の友で口径のわりにそれなりに良く見えると思っていたのですが、初めて見比べたときにあまりの見え味の差にガッカリしたものです。
    具体的には鏡筒内の迷光処理のレベルの差が見え味に大きく影響していました。
    レンズそのものの性能はそれほど大きく違わないのかも知れません。

  4. スタパオーナー のコメント:

    小澤さま
    ご指摘のように長焦点屈折とHMアイピースとの相性はとても良くて、中心付近の像はアッベ式オルソに一歩も引けを取らなかったと思います。
    抜けの良さ(コントラストの高さ)はフルマルチコートのオルソと較べても優れていると感じます。
    さすがにこの歳になると眼鏡の使用が必須となり、HMはもちろん古典的光学系接眼レンズの短焦点を使用できなくなってしまったのであまり使う機会がないです。

    ラプトルに付属する「F」は両凸ハイゲン(樹脂レンズ)を意味するようです。
    旧来のHMが入手困難(かつ高価)になりつつある反面、ローコストであるわりにそれほど才能差がないことが採用の理由のようです。

  5. 小澤利晴 のコメント:

    オーナー様、ありがとうございます。

    サイドバイサイドでの比較ならば確かですね。ラプトル50がそこまで見えるとは、脅威です。私もかつてミザールのラムダA型(60mmF13.3)や、ニコンの80mmF15を使用した経験からあの当時の屈折の見え方はよく覚えています。アストロの50mmF15屈折は使用経験がないけれど、当時の屈折は60mmよりも50mmの方がさらによく見えると噂されていたこともあり、これは間違いなくよく見えるものだろうと思っておりました。

    迷光処理が、昔のものが甘いというのは私も最近になって知った事実です。昔使っていたころは疑問にも思わなかったので、きちんとできているものと比較すればコントラストに差が出ているのかなあとも思います。

    スコープテックさんの屈折は50mm(ラプトルではありません)、60mm、80mm、で計4本使わせていただきましたが、いずれも良いものでした。特に80mmF15の眼視性能は出色で、光量以外ではC8とほぼ遜色なく(もっともこれはシンチレーションなどの影響がC8の方がはるかに大きいため正確な比較とは言えませんが)、木星始め惑星の模様の描写力は、今まで使ったこのクラスの屈折では最高に近いものでした。

    いずれにしてもラプトル50の対価価値の高さを改めて知ることができました。

  6. 小澤利晴 のコメント:

    オーナー様、アイピースFについてお教えいただきありがとうございます。Fは、昔からあり、その正体は私の中ではずっと謎でした。確か昔のミザールの屈折経緯台、エース型などにも付属していて、カタログにはベークライトスリーブとだけ書いてありました。したがって古典的なものには違いないだろうなとは思っておりました。両凸ハイゲンで、樹脂製レンズですか。必要十分な性能で、鏡筒とのセットでコスパを上げたというものですね。

    話が少々それますが、ハイゲンといえば、昔ニコンから出ていたハイゲンはものすごく良く見えるアイピースで、長焦点屈折との組み合わせで惑星を見たときの解像力は、今まで使った全てのアイピースの中でも次元の違うものでした。これだけ見ても当時のニコンのすごさがわかります。鏡筒、アイピース共にニコンは値段も超一流でしたが、性能も超一流でした。今は鏡筒は作っていませんが、アイピースだけは製造していますね。いつかまた鏡筒も復活して欲しいです。

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