今日は昼間青空が広がりましたが、夜はまた曇ってしまいました。
天候が不安定な季節です。
今日から数回に分けて初めて望遠鏡を購入される方に向けてどの機種を選んだら良いか参考にして頂くための紹介をして行きたいと思います。
「初めての望遠鏡はこれがお奨め」
1.はじめに
このブログではこれまでにも様々な入門用望遠鏡の紹介や望遠鏡の使い方の解説をしてきました。
望遠鏡を購入する前の準備としてかなり前の記事ですが「望遠鏡を買う前に」シリーズをアップしています。
望遠鏡を買う前に
望遠鏡を買う前に Vol.2
望遠鏡を買う前に-Vol.3
望遠鏡を買う前に-Vol.4
望遠鏡を買う前に-Vol.5
望遠鏡を買う前に-Vol.6
また初心者向けの望遠鏡使いこなし記事として『ホントに超入門「望遠鏡の使い方」 シリーズ』(これも古いですが)をアップしています。(「ホントに超」をキーワードにブログ内検索をかけて頂くと全記事をご覧頂きやすいです。)
でも初心者の方が初めて望遠鏡を購入するときに、どの機種を選ぶべきかについて具体的に詳しく解説することはあまりなかったかも知れません。
ここでは初めて購入する望遠鏡として私自身が実際にお奨めしている望遠鏡を紹介してゆきたいと思います。
2.「お奨め」機種の選定基準
具体的な推奨機種の紹介に入る前に、紹介する機種をどのような選定基準で選んでだかについてお話ししておきます。
1)確実な製品であること
次回以降に具体的な機種の紹介をするのですが、「具体的」機種の紹介をするわけで「こういう仕様の機種にしなさい」という内容にはなりません。
なぜなら望遠鏡業界というのは少し困った業界で、未だにどうしようもない粗悪品が普通に売られているからです。
望遠鏡に詳しくないほとんどの人は「粗悪品」を掴まされても気付かないままクレームにもならず済んでしまいます。
カタログスペックは同じでも実情は全く別物であることが当たり前になっています。
また望遠鏡メーカーとして有名なメーカーの製品でも「初心者向け」・「子供向け」と謳っているものや、安売りのホームセンターモデルの中には、明らかに「これ、初心者をバカにしているでしょ!」と言いたくなるような機種もあります。
写真はイメージです
ですから使い勝手や見え味を確実に保障するために、このメーカーのこの型式というように具体的に「これ」という機種を紹介させて頂きます。
2)気軽に使えること
マニアックな人達の中で「良い望遠鏡とは」という問い掛けに対して「出番の多い望遠鏡」という回答が多いといわれています。
大きくて重い望遠鏡は性能は良いのですが、持ち運びに労力と時間が掛かり、よほど天候条件が良く気力が充実したときでないと気軽に持ち出して使う気になれないことが多いです。
結局ほとんどの場合、手持ちの機種の中で取り回しがしやすく、そこそこ良く見える望遠鏡を持ち出すことが多くなって、そういう望遠鏡こそが「良い望遠鏡」という結論になるのです。
個人的には「ポン・パッ・サッ」(=ポンと出して、パッと見て、サッとしまえる)望遠鏡が良い望遠鏡だと思っています。
思い立ったときに気軽にポンと外にセッティングするなり車に積めて、ポンと置いたら(面倒な調整なしに)パッとすぐ見られて、パッ、パッ、パッと見たらサッと撤収できる望遠鏡で、見え味もそこそこ良いものだと出番が凄く多くなるからです。
スタパにはたくさんの望遠鏡がありますが、(天文ドームの望遠鏡は別として)個人的に使うことが多いのはこういう「ポン・パッ・サッ」ができるタイプの望遠鏡達です。
また目線は少し変わるのですが、あまり高級な機種だと夜露や土埃を浴びたり、時にはにわか雨に見舞われたりと過酷な条件で気軽に使いたくないことになりがちです。(少なくとも貧乏性の私はそうです。)
気軽に使い倒す気になれる(自分にとって)コストパフォーマンスの高い機種を選ぶことも重要です。
3)将来性のあること
使い倒す気でとは言っても、望遠鏡というのはある程度丁寧に使えば10年や20年は全く問題無く使えます。
ですから将来その望遠鏡をもっといろいろ活用したいとか、さらに大きな望遠鏡を購入してもサブ望遠鏡として充分活用できるというものがお奨めになります。
「入門用」「初心者向け」と謳われた機種の中には上記のことが全く考慮されていないものが多いので、将来性も考えた機種の提案をしたいと思います。(続く)
スタパオーナーさま
古い記事へのコメント申し訳ありません。
小学6年生の甥っ子が天文に興味を持ったので、昨年末に天体望遠鏡をプレゼントしました。
いきなり高価な望遠鏡をプレゼントするのもどうかと思いましたので、こちらのサイトも参考にさせて頂きながら、2万円台の7cm/F10の屈折経緯台を選択しました。
オーナ様はこのスペックを見ただけで、どんな望遠鏡かお察しだと思いますが、渡す前に軽く覗いてみたところ、惑星面の模様が良く見えませんでした。土星の輪は見えますが、木星や火星を見るとフレアが出て、淡い模様を覆い隠している感じです。6cmクラスの入門機より上の性能を期待していたのですが裏切られました。
このままではあまりにも見えないので、アイピースを手持ちの物と交換し、ドロチューブ内の迷光対策をしたところ、木星や火星の模様が見えるようになりました。
それなりに知識があれば対策できますが、オリジナルのままでは月くらいしかまともに見る事ができず、せっかく天文に興味を持った初心者が、興味を無くしてしまう可能性大だと思います。
安価な望遠鏡なので、どこかでコストをカットする必要があるのでしょうが、数千円高くなってもまともなアイピースをセットして欲しいところです。
ここで愚痴っても仕方ないのですが、天体望遠鏡入門機を数多く使用されているオーナー様なら、きっとわかって頂けると思い書いてしまった次第です。
RAGSさま
あ~・・・、何ともお悔やみ申します。
ほとんどの人は月のクレーターが見えて、土星の輪が見えれば満足という場合が多いです。
AMAZONなどのレビューを見てもそのレベルの方のものがほとんどで、レビューだけでその製品の善し悪しは分かりにくいです。
理科の授業で顕微鏡を使うことはあっても望遠鏡を使うことはほとんど無いこともあり、望遠鏡の善し悪しを判断できる人が少なすぎるのも粗悪品がはびこる原因だと思います。
仕入れる人も、売る人も、買う人も誰もよく分からないまま流通する、カメラなどに較べ情報が少なすぎるなど理由はたくさんあると思います。
分かっている人達が根気よく啓蒙して行くしかないのかも知れません。
まあそれでも接眼レンズを変えて、迷光処理をしただけで見え味が激変したならまだまともな方かも知れませんね。
スタパオーナーさま
この望遠鏡は、以前スコープテックの前身?のスターライト・コーポレーションが、アイピースを交換したスペシャルエディションを販売していたので、アイピースを変えればなんとかなるかなと思って購入しましたが、正にその通りでした。迷光処理はドロチューブ内はイマイチですが、鏡筒内はなかなか良くできています。
架台はK型経緯台なので、とても素晴らしいです。架台は〇、鏡筒は△、アイピースは×という感じでしょうか。
前回のコメントは少し辛口に書いてしまったのですが、アイピース交換を前提に購入するのであれば、価格を考えればそれほど悪くないと思いました。
スタパオーナー様。
RAGS のコメントより引用しました。
小学6年生の甥っ子が天文に興味を持ったので、昨年末に天体望遠鏡をプレゼントしました。
私と全く同じケースです。
小学6年生の時に、星に興味を持った私に、中学進学祝として、叔父が天体望遠鏡を贈ってくれたのです。
ただ、RAGS様のケースとは違って、叔父が選んだのは、ビクセン製品だったことです。
vixen1985で検索すると、当時のビクセンのカタログを見る事が出来ます。
せっかくのカスタム60Lだったのに、
太陽と月を見ただけで、結局高校受験や何やらで、手放してしまいました。
その時の後悔があるからこそ、ポルタⅡを購入しました。
私が、惑星に執着するのは、カスタム60Lで惑星を見ずに手放した後悔があるからだと、
勝手に自己分析しています。
ブルースさま
私は小学5年生の時に、理科の教材として学校で斡旋販売されていた4cmの屈折経緯台を買ってもらったのが最初でした。今にして思えば、その望遠鏡は粗悪な望遠鏡で、数回の使用でプラスチック製の経緯台が壊れてしまいました。
しかし自分にはそれがプラスに働き、望遠鏡自作の本を読み漁り、小学6年の夏休みには上下水平微動付の経緯台を自作したのは懐かしい思い出です。その経験があったから今でも細々と天文趣味を続けている気がします。
RAGS 様
はじめまして。
まず、小学校で理科の教材として、望遠鏡が斡旋販売されていたのが、意外です。
自分は、茨城県の小学校でしたが、販売されていたのは、学研の科学と学習でした。
ご存じかもしれませんが、科学の方は付録がユニークでした。鉱石標本とか風速計など。
また、小学校6年で、経緯台を自作されたとの事。
どのような材料で、どんな書籍を参考にされたとのでしょうか?
なお、こちら茨城県では、2日連続で夜が晴れており、
ビクセンさんのポルタⅡ A80Mfを購入したばかりなので、夜中の2時に起きて、木星と土星を見て、3時に寝るという生活を送
おくっています。
RAGS様は、細々ながら天文趣味を続けられているとの事。
どんな望遠鏡で、どの天文をご覧になってえるのでしょうか?
訂正です。
どの天文→どの天体
失礼致しました。
ブルースさま
40年以上も前の事なので記憶が定かではありませんが、理科の授業で天体望遠鏡のチラシが配布された記憶があります(先生が勝手に配っていただけかもしれません)。架台は前に書いた通り粗悪な物でしたが、レンズは4cmF15のアクロマートレンズで、月はもちろん小さいながら木星や土星も見る事ができました。
最初に読んだ自作本は「初心者のための天体望遠鏡の作り方 屈折編」でした。原田光次郎さんの文章は小学生にもわかりやすく、これを読んでやる気になりました。その後天文ガイド別冊の「天体望遠鏡の自作ガイド」や星野次郎さんの「反射望遠鏡の作り方」など、手当たり次第に読み漁りました。
自作の材料は、たまたま自宅が改築工事中で、木材やアルミアングルの端切れなどが手に入ったので、殆どはそれを使いました。買ったのは工具とネジ類だけだったと思います。微動装置はアルミアングルとズンギリボルトで作りましたが、ガタが多く実用性はイマイチでした。
現在所有している望遠鏡は、20cmのニュートン式反射(SCHWARTZ-200N)と9cmのマクストフカセグレン(ETX-90)で、どちらも20年ほど前に購入した物です。但し20cmは実家に置きっぱなしで、ここ数年使っていません。ETX-90は時々ベランダから月や惑星を見ます。早起きが苦手なので最近は惑星を見ていませんが、昨年の秋頃は、木星、土星、火星が良く見えました。以前は写真も撮っていましたが、この10年位は眼視観望だけになりました。
RAGS 様。
マクストフカセグレン90をお使いとの事。また、20cm反射の方はここ数年お使いになっていないとの事。
反射式は、筒内気流が発生しやすいため、事前に外へ出したり、光軸が狂いやすいという話を知っていたため、今回の購入では選択肢からははずしていました。
40年前の小6時はビクセン6cm経緯台。
経緯台が子供の時も問題なく使えた事と、ビクセン製品への想い入れもあった為、今回はポルタⅡ A80Mfにしました。
40年振り天文ファンに戻ったのは、昨年秋に肉眼ではありましたが、明け方に水星を見た事がきっかけでした。
もちろん、夜に肉眼でしたが、木星や土星を見たのも、きっかけの1つです。
ポルタで木星と土星を見たのも晴れていた2夜のみ。
早く梅雨が明けてほしいものです。
ブルースさま
おっしゃる通り反射式は屈折式より手間がかかりますが、20cmニュートンと9cmマクストフでは相当違います。20cmは設置後1時間位は像がユラユラしていますが、9cmは細かい事を言わなければ設置直後から見る事ができます。
9cmマクストフは20年程使っていますが、無調整で実用上充分な光軸を保っています。多少はズレているのでしょうが、光学系が全て球面で構成されているうえFが暗いので、光軸のズレには鈍感です。
季節にもよりますが、20cmで口径なりの性能を発揮できるのは3回に1回くらいで、シーイングの悪い日は20cmより9cmの方が良く見える事もあります。まずは9cmで覗いてみて「今日はいけそう」という日のみ20cmを設置していました。夏場は比較的シーイングの良い日が多いので、梅雨明けが楽しみです。
ポルタⅡ A80Mf良いですね。甥っ子にプレゼントした望遠鏡を購入する際に、比較検討した機種です。小学生用という事でコンパクトで軽いMT-70Rを選択しましたが、自分用に購入するならA80Mfにしたと思います。