今日も良い天気。
今日の昼間はこんなところで遊んでいました。(ちなみに場所は横浜市内です)
さてニューフェイスレビューの続き、今日がとりあえずの最終回です。
今回のセットの鏡筒(ビクセンR-150S D=150mm、F=750mm)はすでに2016年頃に製造中止となった製品です。(販売中はGP赤道儀とのセットが基本でした。)
手持ちの資料では1985年頃にはすでに製品化されていたので、かなり長期間製造されていたようです。
今回の物は塗装色などから2002年以前の製品のようですので、少なくとも18年以上前の製品なのにかなり状態が良いです。
主鏡や斜鏡には若干の曇や痛み、ホコリの積もりなどがありますが、見え味はそれほど悪くないですし、塗装などの焼けや大きなキズなどはほとんどありませんので、大切に使用されてきた物だろうことが伺えます。
下は今回のセットにオリンパスのE-M10を取り付けて先ほど撮影したものです。
とりあえずこのレベルなら充分に実用になります。(数時間後に満月&半影月食を控えているのでほとんどクレーターが見えません。)
この鏡筒の最大の特徴は斜鏡と接眼部が一体化してスライドすることにより合焦する機構を採用している点です。
実はこの機構こそがこの鏡筒の最大の利点であり、欠点でもあるのです。
斜鏡が接眼部と一体化してスライドするために斜鏡支持金具はかなり頑丈に接眼部に固定されています。
このためこの金具により光の回折が発生し像が大きく乱されます。
通常のニュートン式だと斜鏡の支持金具は4本または3本の非常に細いもので作られます。
この場合、回折像は4本の場合は十字に4本の光条が発生し、3本の場合は*型に6本の光条が発生します。(いずれも細くて見た目はわりときれいです。)
ところがこの鏡筒では2本の回折像で片側が強く、もう片方が弱い非対称の回折像がでて少し見苦しいですし、高倍率で像の鋭さを競うような物でもありません。。
あまり天体写真向けとは言いにくくて、きれいな回折像を作るためにわざわざ十字に遮光するマスクを作って組合わせたいといけないという厄介な問題があります。
でも一方では筒外の焦点位置を最小限にできるメリットがあります。
筒外の焦点位置を最小限にできると同じ斜鏡径でも視野を広く取れるとか、周辺減光を少なくできるなどのメリットがあるのです。
ちなみに上の月の写真を撮影するのにカメラは下のように取り付けています。
普通の反射望遠鏡ならドロチューブを全く延ばさないときよりも近いくらいのところにカメラを取り付けて合焦させることができます。
接眼レンズにPL30を使用して25倍で見ても視野のケラレや周辺の減光が気になりません。
三脚込みの総重量が10kgちょっと、鏡筒が短かいので割と気軽に持ち運ぶことができます。
屈折やシュミカセ・マクカセなどの鏡筒の後方(下側)から覗き上げるのと違って、覗いた時に手の位置が抱きかかえるかのように自然なポジションで微動操作ができるので疲れなくて良いです。
等倍のサイトファインダーも軽快で良いのですが、暗くて見つけるのが難しい対象を探すときは5cmファインダーへの交換も可能です。(ビクセン製ですのでビクセン互換のファインダー脚であれば簡単に交換できます。)
特に低倍率で星雲星団を楽しむのにはかなりFANなセットですし、お気楽星見用としてはスタパ最強かも知れません。(ポン・パッ・サッができる最大口径という意味です。)
オーナー様、こんにちは。
短焦点ニュートンは、ファインダー操作のし易さがピカイチですね。
おっしゃる通り、筒にもたれかかるようにして操作できます。屈折やカセグレンタイプの鏡筒ですと、天頂付近の星の導入が辛いですが、ニュートンだと楽な姿勢で行うことができます。また、立ったまま腰や首に負担をかけずに観望できますので、疲れも少なくそう言った使い勝手という点では言うことなしです。
ビクセンのこのタイプ、接眼部スパイダー一体タイプは他に例を見ないですね。この発想、ビクセンらしさ満喫してます。スパイダー1本支持タイプは昔タカハシの反射赤道儀1型という製品がありましたが、高倍率性能という点では、4本タイプが最も良いという意見もあります。
しかしおっしゃる通りこの鏡筒、お手軽観望という使い道に限れば最高ですね。
小澤さま
ありがとうございます。
私自身ニュートン式をじっくり扱うのは学生時代以来のことで、とても新鮮な感覚を覚えています。
鏡筒に抱きつくように上から覗き込むポジションが身体に負担が掛からず気に入っています。
PL30との組み合わせは実視界約2度となり、スバルや小三つ星、プレセペなどの全貌ほほか、多くのペア天体(二重星団やM81-82、M46-47など)を同一視野で楽しむことができて楽しいです。
もちろん一本脚斜鏡のおかげで視野周辺の減光も感じることなく楽しめます。
久々に次の新月期が待ち遠しく感じる機材です。