コリメートでEAA

今日はやや雲の多い天候でしたが、日没後22時くらいまで晴れてくれました。

7月に「お気楽EAAにはコリメート方式がお奨めなわけ」という記事を何件か連載で書いたのですが、その後部品を準備したり、天候に恵まれなかったりでなかなか実際の星で試さないままになっていました。

だいぶお気楽EAAシステムが固まってきたので、コリメートによるEAAも試してみることにしました。

AZ-GTiの経緯台セッティングで
導入用に12-120mm/F1.8を付けたSVBONYのCMOSカメラSV305と
セレストロンC5+28-8mmズーム式接眼レンズ+Neptune-CⅡ
を同架したものです。

12-120mmのSV305と312-937mmのNeptune-CⅡの2段ズーム構成になります。

木星を見ると最広角の12mmで星座の中の位置関係が分かります。

120mmにズームすると木星のガリレオ衛星が見え始めます。

 

カメラをNeptune-CⅡに切換えC5側の広角端(24mm)にすると4個のガリレオ衛星が見えます。

 

そして望遠端でPC上の表示を2倍にズームすると、

動画で木星の縞を観察することが出来ます。

同様に土星も画面上で輪が見えます。

木星と土星を動画で撮影して処理すると、

片手間ですがそこそこ写ります。

同様にオリオン大星雲でこれをやってみました。

SV305の12mmの広角端で、

120mmだと小三つ星の全貌が、

C5の広角端ではM42の全景が

望遠端ではトラペジウムと星雲中心部の構造が

というように手軽に倍率を変えながら、いろいろな観察ができます。

さらにコリメート撮影ではカメラを接眼レンズごと取り外して、同仕様の接眼レンズだけを取り付けると簡単に眼視観察に切り替えることができます。

通常の撮影方式だとカメラを外して接眼レンズに付け替えるのはかなり面倒ですが、冒頭のように天頂プリズムを介したコリメート撮影だと、ピント位置がほとんど変わらず眼視とカメラを気楽に切り替えることができます。

いつでも眼視観察に切り替えられるのは眼視派オヤジにはとてもありがたい仕様なのです。

スタパオーナー について

たくさんのかたに星空の美しさ、楽しさを知って頂きたくて、天体観測のできるペンションを開業しました。
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コリメートでEAA への3件のフィードバック

  1. 大石 賢 のコメント:

    スタパオーナー様
    いつも興味深い記事をありがとうございます。
    私はタカハシμ-210に紹介していただいたSVBonyの9-27㎜ズームアイピースを付け、星雲を眼視で見ています。現在の機材では13等程度の対象が限界で、それより暗い銀河団や肉眼では難しい散光星雲、惑星状星雲を見るためEAAを検討しているのですが、眼視とEAAを簡単に切り替えるにはコリメート方式が適しているのでしょうか。
    デジタル撮影の知識がゼロなのでごく初歩的な質問をさせていただきます。
     1.アイピースの後ろに取り付けるカメラには対物レンズが必要でしょうか。
     2.眼視と同様の視野範囲が撮影できるのでしょうか。
     3.肉眼で見えていない暗い対象や波長の異なる対象をモニターで見るためには
       露出時間やスタッキング枚数はどの程度必要でしょか。
     4.露出時間によりガイド鏡でのガイドが必要でしょうか。
     5.その他、注意事項

    以上、ご教示のほどよろしくお願いいたします。

  2. スタパオーナー のコメント:

    大石様
    ご質問を頂きありがとうございます。
    眼視とEAAを簡単に切り替えながら観察する方法としてコリメート方式はかなり良い方法だと思います。
    本来コリメート撮影は接眼レンズを覗く眼のかわりにカメラを置いて撮影する方式です。(質問1)

    カメラの画角としては接眼レンズの見かけ視界をカバーする(=眼視で見たのと同じような範囲を撮影する)ため標準レンズ程度の画角が一般的です。
    (広角アイピーエスだとカメラ側も広角レンズが必要になりますが・・)(質問2)

    質問3については様々な設定があるので一概に言えないのですが、多くの場合1~2秒程度露光すれば眼視で見たくらいにはモニターに見えてきます。
    (接眼レンズとカメラレンズの焦点距離の比や、カメラの性能から来る感度、ゲイン(ISO感度のようなもの)設定などで大きく変わります。)
    今のところ私の環境では銀河など暗い対象は8~15秒、散開星団などでは1~2秒程度です。
    スタック枚数は画面で見るだけなら5枚くらいでもそこそこ見えてきますが、あとで画像処理をして保存しようと思うならば数十枚欲しいところです。
    (枚数が少ないと荒れた画像になりやすいです。)

    質問4は、そこそこの精度の赤道儀や自動追尾機能の付いた経緯台なら別途ガイドシステムを用意しなくても大丈夫です。
    スタッキングソフトが自動的に位置合わせして合成してくれます。
    精度の悪い赤道儀や経緯台だとガイドエラーのため数分で重ねあわせできない部分が黒い縁になって出てきますがあまり大きくならなければそれほど実害はないです。

    その他、コリメート撮影の場合、部品が多くなる分それぞれの調整や光軸合わせ、レンズ間の間隔調整など気を使わなければいけないところが多くなります。
    ご参考まで

  3. 大石 賢 のコメント:

    スタパオーナー様
    早速のアドバイスありがとうございます。

    コリメート撮影の概要は理解できました。

    これから、少しずつ調べながら試してみたいと思います。

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