はくちょう座のデネブからとかげ座とケフェウス座をかすめ、カシオペヤ座からペルセウス座に抜けるいわゆる「秋の天の川」は夏の天の川とはまた違った見え方をします。
夏の天の川ほど濃くはないのですが、双眼鏡で眺めれば明るめの星も多くてざらついた感じが強く「圧巻」とか「きれい」という表現がピッタリくる領域です。
ペルセウス座の二重星団は「7-3.ABKカタログについて」ですでに紹介していますが、小さな双眼鏡から大望遠鏡まで、様々な望遠鏡で楽しめる対象です。
星座の位置関係は下の写真の四角で囲ったあたりです。
ペルセウス座の二重星団というのは望遠鏡発明以前は普通の星の二重星だと思われていて星の名前として「h」と「χ」(カイ)という符号が付けられていました。
望遠鏡で見てはじめて、それぞれが星団だということが判ったので二重星団とか現在でも「h-χ」(エイチ-カイ)と呼ばれています。
上の写真でも四角の枠の右上のほうに二つの星のかたまりがあるのがわかると思います。
あまりにも有名な対象で星を見る人ならだれでも知っているレベルの星団です。
有名すぎることもありますし、二重星団に気を取られすぎて、二重星団を見るだけで充分にきれいなので満足してしまって、これまでその周辺をじっくり観察したことがありませんでした。
(望遠鏡派の人はそういう方が多いのではないかと思うのですが・・・)
でも「星群・星列」的な目で見ると・・・
まるで宝石が二つさがった首飾りに見えてきます。
さらにこの周辺を良く見ると、まるで宝石箱をひっくり返したかのようにたくさんの
星群・星列があります。
首飾りのすぐ下にはブローチかイヤリングのような星列があります。
また、左下にはティアラのような星列があって、本当に豪華な宝石箱を覗いて
いるような感覚になります。
(このティアラと前節ABK046のツリー星列は隣接した状態の位置関係です。)
この付近を「二重星団(h-χ)周辺の宝石箱」と呼ぶことにします。
この周辺にはまだまだたくさんの星群・星列があります。
たくさんの方に宝探しをして頂きたい領域です。
ピンバック: ABKカタログ目次 | 双眼鏡で楽しむ星空
ペルセウス座のα星アソシエーションを眺めた後,ミルファク(α)からγηとたどって,この有名な二重星団にたどりつきました。Binocular Highlightsのチャートだけでは少し心もとないので,S&Tのスカイアトラスで確認して場所を特定しました。大阪の郊外からでは,散開星団もなかなかきれいには見えません。また上記のカタログにある星列の片鱗はわかりますが,8等星より暗い星は双眼鏡でもはっきり見えないので,宝石箱というにはちょっと…。やはりもう少し空の暗い場所で見たいものです。今日はあまり空の状態が良くないだけかも知れないということにしておきましょう(泣)。もうペルセウス座もかなり西に傾いているので,今年の秋~冬に期待します。
以下はBinocular Highlightsからの抜粋です。
輝かしい二重星団
疑いもなく,双眼鏡で見て最高に壮観な眺めのひとつは,名高いペルセウス座二重星団である。北半球から観測する人にとって,よくある光害のひどい都市近郊の空でこれに匹敵するほど印象的なものはおそらく十指にも満たない。空の暗い所でこの山盛りの星を見れば,相当のうるさ型でさえ,双眼鏡天文学には独特の魅力があると納得せざるを得ないだろう。
この二重星団(別名NGC 884と869)は,ペルセウス座とカシオペア座の間の天の川の濃い部分にある。それも当然のことで,散開星団は我が天の川銀河の円盤平面の近くで形成されるからである。この二重星団は我々から約7,600光年離れており,誕生してからまだ1300万年にしかならない。
豊潤な眺めを堪能したら,次にそれぞれの星団をじっくり見て両者の違いがわかるかどうか確かめてみよう。どちらの方がまばらだろうか。明るい星が多いのはどちらか。形は大体同じか。このような疑問に答えるよう努力すれば,観測技術向上の助けになるし,もっとむずかしい目標をいともたやすく見られるようになる。
(ビノ訳)
ピンバック: 「双眼鏡で星空観察会」をプロモート その16 | スタパオーナー八ヶ岳日記