ABK072 オリオン座 λ(ラムダ)星「λのλ」星列 分類:星列

オリオンの頭にあたる部分にはλ星(固有名:メイサ)があります。

このλ星の周りにはいくつかの星が集まっていて、肉眼ではいくつかの星の塊のようにも見えます。

双眼鏡で見ると「λ」の形に星が並んでいます。

アメリカでは以前から「Lambda-Lambda」と呼ばれているようです。

λ星の周りの星がλの形に並んでいるというのは何だか出来過ぎな感じがしますね。

やぎ座のω星の周りにもωの形の星列があることをすでに紹介していますが(ABK035)、バイエル符号(ギリシャ文字を使用した星座の中の星名)を付けるときに狙って付けたのかと思えて来ます。

バイエル符号の付け方自身があまり法則性がなく、α星が一番明るくない星座がたくさんあったり、そもそもα星のない星座がいくつかあるので、ひょっとすると茶目っ気を出してλOriやωCapを付けたのかも知れないと思うのです。

昔は光害がないので星空が今よりずーっときれいだったのと、目の良い人が多くて今よりずーっとたくさんの数の星が見えていたのでこんな遊びができたのかも知れません。

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ABK072 オリオン座 λ(ラムダ)星「λのλ」星列 分類:星列 への3件のフィードバック

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  2. ビノ のコメント:

    λのλのことは,このサイトの記事を読むまでは恥ずかしながら知りませんでした。λ型を形作る星は3等級から5等級と明るいので,大阪の空で見てもはっきり形がわかります。おおいぬ座にもλ字型をしたCr 140という星列がありますが,こちらは5等星と6等星で出来ている上,オリオン座のλのλよりすこし小さいので,うっかりすると見落とします。

    上のファインダーチャートに大きくベテルギウスが写っているので,強引ですが,Binocular Highlightsのベテルギウスに関するエッセイの翻訳をここにあげさせていただきます。

    金色のベテルギウス
    星を形容するのに「血のように赤い」とか「目が覚めるように青い」のような表現を読んだことがあるだろう。しかし現実にはほとんどの星の色はぼんやりして捕えにくい。有名な「赤色超巨星」ベテルギウス(オリオン座α星)も例外ではない。ベテルギウスはM型で,つまるところ可視光のほとんどがスペクトルの黄色,橙色,赤色の部分にある。しかしさらに短波長の光も押し出されてくるので,主要な色が希釈され,結果として星の色は淡くて,ほのかに色づいているという程度になってしまう。
    星の色の鮮やかさに影響するひとつの因子は,目に届く光の量である。そしてここに双眼鏡の出番がある。肉眼ではベテルギウスの色は淡いが,隣の明るい星,氷白色のリゲルと何度も行き来して見比べれば識別しやすくはなる。しかしながら,双眼鏡で見るベテルギウスは際立って美しい金色がかった橙色である。なぜだろうか。
    目には2種類の検出装置がある。桿体(弱い光に敏感)と錐体(色を識別できるが比較的低感度)である。薄暗い条件下では主に桿体が働くので,暗い星のほとんどには色がない。双眼鏡の集光力は錐体に必要な光を集めるので,星の色が認識しやすくなるのである。
    しかし多量の光を見ると色はあせてくる。ベテルギウスで次のような実験をしてみて欲しい。双眼鏡の焦点を少しだけずらしてベテルギウスが鋭い点光源ではなく幾分大きな淡い円盤になるようにする。これでベテルギウスの小さな点像で網膜が露出過多になるのを防止できる。露出過多ではどんな色も実際より薄く(白っぽく)なるのである。
    (ビノ訳)

    • stapa のコメント:

      ビノさま
      ベテルギウスに限らず星の色というのは本などに紹介されているほどはっきりした色でないことが多いです。
      原則「黒体放射」の光ですから炎の色や高温に熱せられた金属や白熱電球の色(=発光原理)に近いです。
      赤色巨星といっても表面温度は3000K程度ですから事実上白熱電球に限りなく近いわけですね。
      眼の暗順応の状態や周囲の明るさ、望遠鏡の口径・倍率などによっても全く違った印象になることが多いです。
      大口径でアルビレオを見るよりも口径10cmくらいの望遠鏡のほうが色がハッキリ分かりきれいに見えることが多いです。
      大口径では上記のようにピントをわざとぼかして色を楽しむのがお奨めになりますね。
      あまり馴れていない人の場合、色の違いを見分けたり、表現することが難しいこともあります。
      元々連続スペクトルを有する黒体放射光の色を「何色」と表現すること自体無理があると言えるのですね。

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