ABK083 シリウスとM41(散開星団)

おおいぬ座付近の紹介です。

おおいぬ座といえばなんといても全天で一番明るい恒星シリウスです。

星を趣味にしてこれまでたくさん見てきたかたにとってシリウスも恒星の1つであって「それだけ見ても面白いの?」という感じになりそうですが、双眼鏡で見ると肉眼で見るのとは桁違いに明るく見えて、キラキラ輝く明るさに感動できます。

いつ見てもきれいなのですが、圧巻は地平線(水平線でも)上に昇ってきたばかり(または沈む直前)です。

望遠鏡で見るとこんな風に面積を持った光がクルクル色を変えるさまが見られてとてもきれいです。

もちろん低空まで良く晴れて空気が澄んでいなければダメですが、超低空に見えるシリウスを双眼鏡で見ると黄色に見えたり青に見えたり、まさに7色に色が変わって見えます。

低空にあるときは空気の中を長く通るので、空気の揺らぎによるプリズム効果が働き7色に分光されて見えるというわけです。

他の恒星でも同じことが起こるのでしょうが、ずば抜けて明るいことと、青白い光色で空気中を通過してもあまり赤くならないシリウスだからこそよく観察できる現象と言えます。

シリウスが昇る時刻(または沈む時刻)を事前に調べてご覧になると良いと思います。

星の色ってこんなに変わるんだぁ~・・ときっと驚くと思います。

シリウスのすぐ南側(7~10倍では同一視野)には散開星団M41があります。

双眼鏡でも存在がハッキリ判る大型の星団です。

シリウスと同一視野ですとシリウスの明るさに負けてしまいそうですが、シリウスが目に入らないようにしてみると、双眼鏡でもとてもハッキリざらついた感じに見えて星の集団であることがわかります。

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ABK083 シリウスとM41(散開星団) への1件のコメント

  1. ビノ のコメント:

    大阪の空はとくに地平線近くが明るいので,星座が南中するころを待たないと,散開星団はきれいに見られません。さて問題のM41ですが,見事な眺めでした。手元の資料によるとその大きさは30′ なので,満月と同じ大きさですが,そこまで大きくは見えません。星団を構成する星も,大気の揺らぎのためか安定はしませんが,10個余りの星が見え隠れするのを確認できました。

    以下はBinocular Highlightsからの抜粋です。
    見下ろされる散開星団:M41
    おおいぬ座の主役シリウスほど魅惑的な星は少ない。身の引き締まるような冬の夜,夕食後の散歩に出かけると,まばゆいシリウスのせいで空に目が行く。思わず双眼鏡で見てしまうと,視野の下の方に驚きが待ち受けている。散開星団M41だ。いったいどれだけ多くの星見の初心者達がこうやって,この素敵な星の群れを「発見」してきたのだろうか。もちろん,シリウスのような明るい目印があるので探し出すのは簡単だ。『The Messier Objects(メシエ天体)』の著者Stephen James O’Mearaはその光景を見事に表現している。「おおいぬ座(オリオンの大犬)が冷たい冬景色の上に昇るとき,散開星団M41は月光を反射する氷の張った名札のようにその首輪からぶら下がっている。」
    M41は約2,300光年の彼方にあると考えられている。強い月明かり(あるいは都会の光害)を通してさえ,この「氷の張った名札」の5~6個の輝星は照り輝いている。この領域は全体として星が多い。おおいぬ座が冬の天の川の中に位置しているからだ。とくに目を引くのが近くの三角形のペアだ(図示)。ひとつはシリウスから視野半分だけ北,もうひとつは1視野分南南東にある。夏ほど星の密度は高くないが,冬の天の川には驚くほど多くの美しい星野が存在する。次の冬の夜の散歩の折に,双眼鏡で少し探ってみればご自身でも発見できるだろう。
    (ビノ訳)

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