ABK084 おおいぬ座 δ星近傍 犬のお尻星列 分類:星列

おおいぬ座の尻尾の付け根にあたるδ(デルタ)星を双眼鏡で見ると、δ星を取り囲むようにアーチ状の星列が見付けられます。

アーチ状の星列の左下側からは鎌首を持ち上げるような形の星列も延びています。

見ようによってですが、大型の草食恐竜(雷竜)のようにも見えます。

でもこの星列、もっと単純にδ星を取り囲む半楕円の星列として捉えると・・・

かわいらしい「犬のお尻」といった感じに見えます。

無理矢理恐竜にしなくても「犬のお尻星列」のほうがユーモラスでしっくりします。

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ABK084 おおいぬ座 δ星近傍 犬のお尻星列 分類:星列 への5件のフィードバック

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  2. ビノ のコメント:

    おおいぬ座の犬のお尻星列が見つからなくて,ずっと悩んでいたのですが,今日やっとわかりました。このお尻は思ったよりずっと大きい。星図で見るとおおいぬ座δ星の南東を小さく囲んでいるように見えたのですが,私の10×42双眼鏡の実視界(6.5°)の4分の1を占めるでかい星列でした。まさにパラシュートです。Binocular Highlights 第2版には第1版にはなかった10項目が書き足されており,以下の翻訳はそのひとつです。残念ながらCr 132と140は見えませんでしたが,Cr 135はとも座π星があるため,すぐにわかりました。

    おおいぬ座のコリンダー星団
    メシエの表やドライアーのNGCのことなら誰でも知っているだろうし,ひょっとするとICのことを聞いたことがある人もいるかも知れない。しかし驚くなかれ,双眼鏡向けの標的は,他のもっと無名の資料の中に埋もれているのだ。コリンダーカタログには特に沢山の面白い天体が載っており,おおいぬ座の南側にもいくつかある。
    では皆でコリンダー探索を始めよう。まずはおおいぬ座δ星から。δ星は双眼鏡にふさわしい場所で,その南東側をぐるりと囲む星列が特徴的だ。この星の円弧はパラシュートにそっくりで,δ星はそれにぶら下がった人の様だ。双眼鏡を南に4°だけ振ると,そこにコリンダー (Cr) 132がある。この星団は10×30防振双眼鏡でも易々と分離できる。その形はペガススの大四辺形のミニチュア版だが,妙に傾いている。Cr 132はそこそこ明るい星々と少数の淡い星からなる。
    Cr 132の隣にはCr 140がある。こちらはもっと星団っぽく見え,空が暗ければ肉眼でもわかる。10×30で見ると5~6個の星がギリシア文字のラムダ (λ)の様に並んでいる。この星団の中心にはかすみの様なものがある。15×45防振なら少数の淡い星に分解でき,星団を一段と豊かなものにしている。
    最後に真南に向かって隣のとも座との境界を越えてみよう。そこにCr 135がある。この星野には2.7等級のとも座π星が鎮座し,近くの2つの5等星と二等辺三角形を作っている。π星のまわりには少数の淡い星が群がり,10×30では焦らすように見え隠れする。
    (ビノ訳)

    余談ですが,Binocular Highlights第2版の第1章(12月~2月)をようやく訳し終えました。Gary Seronikのエッセイは読み物としても優れており,その軽妙な語り口がうまく伝わるかどうか心配です。私はプロの翻訳家ではないので,ともすれば翻訳口調に陥ってしまい,何度も書き直しています。これではいつまでたっても終わりそうにない。時々とんでもない誤訳を自分で発見して落ち込むこともあります。

    • stapa のコメント:

      ビノさま
      いつもありがとうございます。
      ABKカタログは原則10倍未満の(手持ちの)双眼鏡で楽しむことを想定して編纂しています。
      このため10倍の機種では視野をはみ出しかねない対象もあるかも知れませんね。
      記事中のインデックス用写真に記載している視野円は(約)7度で描いていますので参考にして頂けると良いです。

      コリンダーカタログ(Cr)はコートハンガー星団(Cr399)くらいしか知らなかったのですが、他にも面白い対象がありそうですね。
      Binocular Highlightsの和訳は本当に参考になります。
      ビノさまの健闘に感謝です。

  3. ビノ のコメント:

    先日見落としていたCr 132とCr 140をもう一度探してみると,ちゃんとそこにありました。両方とも結構大きな星列だったのです。犬のお尻星列の時と同じで,スケール感を間違えていたから分らなかっただけでした。試行錯誤を繰り返しているうちに,徐々に星座の形と大きさが頭に入ってきたようです。Cr 132は確かにペガススの大四辺形のミニチュアです。Cr 140はλ型をした星列ですが,少し暗いオリオン座のLambda-Lambdaの小型版です。両方とも星団というよりはアステリズムですね。ただし大阪からでは微光星があまり見えないので,いずれも星が少な過ぎて寂しい感じがします。もっと暗い空が欲しいところです。Cr 135は前に見た通りの印象ですが,二等辺三角形の底辺の東側の星は二重星(手元の資料ではとも座υ星,4.7と5.1等級,位置角97°,角距離240″)で,全体としてこぢんまりときれいな形をしています。またBinocular Highlightsの解説では,とも座π星の周囲には微光星が見えるとあるのですが,大阪の空ではさっぱりです。

    私はGary Seronikお薦めのキヤノン10×42防振双眼鏡を使っています。65歳を過ぎた今はもう望遠鏡をかついで外に出る体力もないので,双眼鏡だけにしようと決めて,思い切って購入しました。もちろん普通の8×42でも結構星は見えるのですが,暗い対象や二重星の分離となると固定がむずかしいので,どうしても10×42を使いたくなります。
    防振双眼鏡のいいところは手持ちでも暗い天体が細部まで見られることです。10×42 ISは1100gあるので決して軽量級ではありませんが,公園のベンチに腰掛ければ,私の体力でも十分安定します。でもやはり暗い空には憧れますね。時間ができたら遠征もしてみたい。
    Binocular Highlightsに対する唯一の不満は,Seronik自身が10×30 ISと今はもう製造されていない15×45 ISばかり使っていることです。あれだけ褒めちぎった10×42 ISは一体どうしたんだ,と言いたくなります(笑)。本書の双眼鏡の選び方の章の最初の方で,とりあえず10×50が適しているとは書いているのですが,実際に本文中に出てくるのは上記の2機種ばかりで,10×50はほんの申し訳程度にしか登場しません。
    もう東の空には,うしかい座が昇ってきました。Binocular Highlightsの翻訳も春の章に突入しています。春は銀河の季節ということで,大阪からは見えそうもない対象が多く,実際に見て楽しむのはむずかしいのですが,ぼちぼち進めて行きます。

    • stapa のコメント:

      ビノさま
      いつもありがとうございます。
      Cr140はABK085で紹介しているシェーバー星列の取っ手のあたりで、特徴的な並び(私にはλ型というより細長い菱形に見えました)なので目に着いたのだと思います。
      Cr132と135は今度探してみようと思います。

      少しでも多くの方に双眼鏡で星を楽しんで頂くように「安い」、「手持ちの(=低倍率)」の双眼鏡で楽しんでもらえる対象をたくさん紹介したいというのが、私がABKシリーズを作ることにした動機です。
      ですからABKカタログは原則8×42、または5×20で見えるものを選んでいますので8等星代くらいまでのアステリズムを主に紹介するようにしています。
      でも星の楽しみ方は人それぞれなのでいろいろな機材を使って、様々な対象を紹介するのはそれはそれで面白いと思います。
      Binocular Highlightsの著者であるSeronikさんが15×45ISを主に使うのはおそらく微少な星雲星団を(10×50よりも)容易に検出できるからではないかと思います。
      マニア的には学術的に意味のないアステリズム探しより、マイナーでも名前のある星雲星団を追いかける方が楽しいとも思えますし、20~30倍の望遠鏡で見て楽しいと思える対象もたくさんありますしね。
      私的に春の系外銀河は「安い」、「手持ちの(=低倍率)」の双眼鏡で見つけることはできても楽しいと思えるほどの見え方のものはないので、ABKカタログには一つも取り上げませんでした。
      もっとも、たとえ微かでも数千万光年彼方の光が見えたことに感動できる人は沢山いますので、それはそれで意味のあることだと思うのです・・・・

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