こぐま座にはもう一つ、空のきれいな場所でぜひ見ていただきたい星列があります。
北極星を取り囲むように微光星が並んでダイヤの指輪のように見えるという紹介を以前しています(8-2)
これはABKカタログを作ることのなった原点とも言える「Binocular Highlights」(洋書)で紹介されているものです。
北極星以外は6~8等級の暗い星が多いのと、わりとこぢんまりした星列なので低倍率の双眼鏡では少し難しいかも知れませんが、一度見つかるとハッキリ分かるようになるので試してみて下さい。
見方によってはもう少し右下に広げて、少し歪んだハートマークと見ることもできます。
大阪から見ると,リングがつながりません。光害のせいでしょう。北極星を含めて指輪のように並ぶ星列のはずなんですが,北の空は明るくて9等星をしっかり捕えるには苦労します。赤色LEDライトで星図を確認した後は,長波長(赤)錐体が飽和するため,空が結構明るく真っ青になりますが,星はしっかり見えます。Stapaさんのところでは空が暗いから,こういうことは起こらないのでしょうね。
以下はBinocular Highlightsの該当部分の抜粋で,第2章の最初の項目です。
エンゲージリング
空は小さな面白いアステリズムで満ちている。とくに双眼鏡を持って狩りに出かけるとなおさらだ。こぎつね座のコートハンガー星列(71ページ)のことくらいは聞き知っておられるだろうが,アステリズムは他にも沢山あるし,まだ発見されていないものも多いに違いない。これらの星群は大抵重力的には結合されておらず,目と脳が勝手にばらばらの点を結んで形を作っただけという事実は否めない。何といっても星座はそうして作られたのだから。
こぐま座のエンゲージリングは愛嬌のある星列だ。この星の指環はきらきら輝く2等級のダイアモンド(北極星)をはめ込んで完成する。指環の本体は8等級から9等級の星からなる直径35分の凸凹の輪で,こぐま座の小さな柄杓の反対側にある。空の状態にもよるが,大体どんな大きさの双眼鏡でも見える。
天の北極に近いので,エンゲージリングは1年中毎晩見えている(北半球の人だけだが)。一度自分で見てみよう。
(ビノ訳)
ビノさま
いつもありがとうございます。
北極星のリングはBinocular Highlightsで知ったのですが、正直なところ北極星が豪華なわりにリングの部分の星の明るさが貧弱で小さいので、初めての時は少し見つけるのに苦労しました。
手持ち双眼鏡で9等星までを使ったアステリズムを探すのは少し厳しいような気がしています。