ベガとアルタイルについては、今さら説明不要と思えるほどメジャーです。
夏の大三角のうちの明るい2星ですし、織女・牽牛の七夕伝説の星でもあります。
でもアルタイルという名前の意味は「飛ぶワシ」という意味があります。
わし座だから「飛ぶワシ」は別に当然だと思うかも知れないのですが、もう一方のベガには「落ちるワシ」という意味があるのです。
こと座の星なのに「落ちるワシってどういうこと・・・?」と感じる人が多いと思うのですが、アステリズムの観点から見ると、とても納得が行くのです。
本節ではアステリズムとしてのベガとアルタイルを紹介しておきます。
まずは本家わし座のアルタイルから、
星座絵の星の並びを線で結ぶと
この写真では右上に尻尾にあたる星、デネブがありますので、右下がくちばしということになります。
デネブというとはくちょう座のα星が有名ですが、デネブは単に尻尾という意味ですのでじつは結構あちこちにあります。
でも実際の夜空でわし座の星達をこんな風に結ぶのはかなり難しいです。
それもそのはず、元々のわし座はこんなに大きくなかったようなのです。
原始的な星座というのは意外に小さなものが多く、前節で紹介したや座やいるか座(上の写真にも写っていますが)などはその良い例です。
日本でもアルタイルの部分のこの三つの星の並びを犬飼星と呼ぶ地方があったり、牽牛には牛を引き連れる者という意味があって、左右の小さな星を牛に見立てていたのです。
星座発祥の当初は意外に小さな星の並びの目印が主体だったのかも知れません。
さてアルタイルが南中を過ぎるとβ、γがほぼ横並びになって、ワシが飛んでいるようなイメージになります。
そうこの三つの星の並びを飛ぶワシというイメージで「飛ぶワシ」としていたのです。
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