ABK030 こと座 ベガ(落ちるワシ)星列 分類:星列

飛ぶワシのアルタイルに対して、こと座のベガは落ちるワシという意味があって、昔からアルタイルとセットで扱われていたのです。

こと座が西に傾き始めたときはこんなふうに琴が横倒しになったような配置になります。

ここでベガとε、ζだけに着目するとわりと目につきやすいV字形というか三角ができます。

ベガは織姫星としてもとても有名な1等星ですし、εもダブルダブルスター(二重連星)として有名な星で、ζも低倍率で楽しめる二重星であることから個人的には「夏の小三角」と呼んでいます。

でも西洋の昔の人にはこのV字形が獲物に向かって急降下しているワシに見えたので「べガ」(落ちるワシ)と名付けたのです。

夏の大三角が天頂を明け渡す9月中旬頃になると、面白いことにベガとアルタイルはほぼ同じ高度で横並びになり、(同じ時刻なら)その横並びのまま11月初旬まで地平線に近づいて行きます。

仲良く並んで地平線に近づいて付く姿に気づけば、この二つの星をペアとして扱いたくなるのは人情と言うものでしょう。

そんな訳で西洋では二つの形態のワシの姿として、東洋では牽牛・織女という夫婦の星としてエピソードが生まれたのだと思います。

ベガ(落ちるワシ)もアルタイル(飛ぶワシ)も双眼鏡で眺める星列としてちょうど良い、そして都会で眺める双眼鏡向けの星列としてとても面白い対象だと思います。

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ABK030 こと座 ベガ(落ちるワシ)星列 分類:星列 への1件のコメント

  1. ビノ のコメント:

    こと座ε星は角距離が209″と大きいのではっきり分離できます。ζ星は分離がむずかしいと書かれているのですが,10×42 では簡単でした。すくなくともうしかい座δ星よりもはるかにはっきりと分離できます。以下はBinocular Highlightsからの抜粋です。

    もうひとつの夏の三角
    夏の大三角のことは,ほとんど誰でも聞いたことがあるだろう。この季節に最も目立つ3つの星,ベガ,デネブ,アルタイルからなっている。夏のもうひとつの三角は双眼鏡でしか見えない星列で,やはりベガを含んでいる。他の2星は近くのこと座エプシロン(ε)星とゼータ(ζ)星である。
    夜空で5番目に明るい星として,ベガは肉眼でもまばゆいのに,双眼鏡で見ると更にそうだ。その北東には,有名なダブルのダブル,こと座ε星がある。どんな双眼鏡でも簡単にわかるε1とε2は,大きく離れたペアで,明るさと白い色がそろっている。しかし,これら各々をさらに二重星に分解するには望遠鏡の倍率が必要だ。
    ε星の真南にはこの三角形の第3の頂点をなすζ星がある。これはもうひとつの双眼鏡二重星だが,ε星より分離がむずかしい。星同士が近いだけでなく,主星が伴星の3½倍も明るいからである。光度差のあるペアは,差のないものよりはるかに分離しにくい。最低限10倍の双眼鏡をマウントで支持し,しっかり焦点を合わせなければ成功はおぼつかない。

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