ABK064 きりん座 NGC1502周辺ケンブルカスケード 分類:星列

きりん座はとてもマイナーな星座で、暗い星ばかりなので見つけること自体かなり難しい星座です。

スタパ近辺では周極星なので一年中見えているはずなのですが、晩秋の頃高く上がってわり見つけやすくなります。

このきりん座には星列として欧米では有名なKemble’s Cascade(ケンブルズ カスケード:ケンブルさんの滝)があります。(カスケードというのはチョロチョロ湧き出る感じの小さな滝のことだそうです。)

「Binocular Highlights」で紹介されている星列でケンブルさんという天文家に紹介されて広く知られるようになった星列だそうです。

きりん座にあるのですが、カシオペア座からぎょしゃ座のカペラの方向に双眼鏡を振ってゆくと見付けることができます。

かなり暗い星なのですが10個くらいがきれいに並んでいます。

NGC1502という小さな散開星団から流れ出しているかのように見えるということになっていますが、肉眼ではNGC1502は見えないかも知れません。

私には「√」マークを裏返したような感じに見えました。

とてもきれいなお奨めの星列です。

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ABK064 きりん座 NGC1502周辺ケンブルカスケード 分類:星列 への3件のフィードバック

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  2. ビノ のコメント:

    私が30年ぶりに星を見ようと思い立ち,最初に挑戦した星列がKemble’s Cascadeです。しかし大阪の空は手ごわくてまだ見たことがありません。白状すると,これまできりん座がどこにあるのかさえ知らなかった初心者ですから,相手が悪すぎたのかもしれません。でもいつかは見ようと望みだけはつないでいます。
    この星列の名前,いったいどう訳したらいいのかずっと迷っていました(今も迷っています)。カスケードと聞いて最初に思い付いたのは,Windowsのウィンドウのカスケード表示です。斜めに少しずつずらして斜めにウィンドウが並ぶあれです。その次に思い付いたのは化学のカスケード反応。滝という訳は辞書で初めて知りました。Kemble氏の手紙の表現からすると,連鎖か縦列がいいのかも知れません。

    以下はBinocular Highlights第2版の最初のエッセイです。第1章の目次も一緒に,ここに載せておきます。著者の見落としと思われますが,少し内容に抜けがあります。
    第1章 12月・1月・2月
    きりん座(Kembleのカスケード,NGC 1502)
    ペルセウス座(二重星団,ペルセウス座α星アソシエーション,M34,アルゴル)
    おうし座(プレアデス星団,ヒアデス星団,NGC 1647, M1)
    ぎょしゃ座(M36, M37, M38)
    ふたご座(M35, NGC 2158)
    オリオン座(ベテルギウス,M78,Cr 70,M42,Σ747,NGC 1981)
    おおいぬ座(M41)
    いっかくじゅう座(M50, NGC 2343, NGC 2345)
    とも座(M46, M47, Cr 135, NGC 2477, NGC 2451)
    Kembleのカスケード
    目と脳には,混沌から秩序を作り出すという驚くべき能力がある。星座はその一例だし,折に触れて「発見」されるアステリズム(星座内の小さな星のパターン)の多くも同様である。しかし形の好みなど人様々で,あばたもえくぼと言ったところだ。ただしこのルールにもひとつ例外がある。きりん座で目につく一列に並んだ星の連なり,Kembleのカスケードである。
    私が初めてこのアステリズムに遭遇したのは1996年,前夜に撮った百武彗星の写真を調べている時のことだった。彗星から程近くに,同じ位の明るさの星が10数個,あり得ないほど長い直線を描いて並んでいた。いや実を言うと,それはまるで作り物っぽく見えたので,最初はネガのキズだと思って無視していた。
    この星列の名前は,Sky & Telescope誌の1980年12月号,Deep-Sky Wondersというコラムに由来する。筆者のWalter Scott Houstonがカナダのアマチュア天文家であるLucian J. Kembleからもらった手紙について詳しく紹介している。Kembleは自分の手紙の中で,きりん座の中の「微光星の美しいカスケード」と表現していたそうだ。
    Kembleのカスケードは光害の中でも見つけられる。10×30防振双眼鏡を使えば都市近郊の自宅の裏庭からかなり簡単に見ることができる。もちろん空がもっと暗ければ見え方は大幅に良くなる。というのもカスケードの星のほとんどが8等級から9等級の間にあるからだ。好条件下ならカスケードは上記のチャートよりもっと目立つ。ついでだが,Kembleのカスケードの終端は散開星団NGC 1502の近くにある。この星団は孤立した7等星とそれをびっしり囲む綿毛のような暗い星々からなるので,10×30でもかなり簡単に見つかる。
    (ビノ訳)

    • stapa のコメント:

      ビノさま
      「カスケード」という言葉のニュアンスは「小さな滝」とは少し違うかも知れませんね。
      名付けた本人でないとどう日本語に訳したら良いか難しそうです。
      でもこの星列は実際に夜空で見つけてしまったときはコートハンガーと同じくらいインパクトの強いものだと思います。
      8~9等の暗い星が主なので都会では少し難しいかも知れません。

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