星景写真入門 その8

今日は梅雨明けを感じさせる高い気温と、青い空の一日でした。

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今日も「星景写真入門」が続きます。
4. 露光量の調節

4-2.  F値(=口径比=絞り)

カメラレンズでは焦点距離が同じであれば同じ受光素子なら写る範囲(画角)は同一になります。

ただし、焦点距離が同じでもレンズの有効径が大きければたくさんの光が受光素子に当たるので、同じシャッタースピードでも暗い星を写すことができるようになります。

焦点距離に対してレンズが大きいとか小さいとかの度合いを示す指標として「レンズの有効径」と「焦点距離」の比を口径比といいます。

正式には「F1:5.6」(焦点距離が口径の5.6倍の意味)といった表記をしますが、通常はこれを略して「F5.6」と表すことが多く、この数値を「F値」といいます。

F値は小さいほど(レンズの有効径が大きいので)「明るい」レンズといわれます。

F値が倍になると(例えば焦点距離50mmでF2がF4になると)、レンズの有効径は2分の1(50÷2=25mmが50÷4=12.5mm)になります。

有効径が2分の1になると言うことはレンズの面積は4分の1になるので露光量も4分の1になります。

同じ明るさに撮るためにはシャッタースピードを4倍にする必要があります。

そういう意味でもF値は小さいほど(明るいレンズほど)星空を撮影するのには向いていると言えます。

ところで通常のカメラレンズというのは最大の有効径のF値よりも有効径を小さくする機能(「絞り」といいます)が組み込まれていて、光の量(F値)を調節できるようになっています。

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通常は絞りは開いているのですが、シャッターを開いている間だけ設定したF値に絞りが出てくるようになっています。

最大の有効径のF値のことを絞りを一番開いた状態なので「開放F値」、撮影したときに設定したF値を「絞り値」といったりして区別することが多いです。

さてF値は明るければ明るいほど暗い星が写りやすいのですが「開放F値」で撮影するのが良いかというと、必ずしもそうではありません。

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上はフルサイズの一眼デジ(Eos6D)に20mm/F1.8のレンズを着けて開放に設定して撮影したものです。

次にF4.0に絞って露光量が等しくなるようにシャッタースピードを長くして撮影したものを示します。

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ブログサイズだと分かりにくいのですが、F1.8の方は四隅が暗くなる(周辺減光という)現象が起きています。

中央部の明るさ(天の川の写り方)はほぼ同じなのに、このレンズは開放だと周辺部まで光を確保することができずに暗くなってしまうという状態です。

中央部分を見せる表現手法として使える場合もありますが、F4に絞った方がスッキリした絵になっている感じがすると思います。

作品レベルの写真を撮ろうと思うと「開放」ではどうしてもレンズのアラがでてしまうことが多くてそのまま使えないことが多いです。(四隅の星像のボケが大きくなるなど)

星は点光源なのでレンズにとっては一番厳しい結果がでる撮影対象と言えます。

普通の風景や人物であれば全く問題のないレベルでも、少しでも収差があるとすぐに分かってしまうからです。

どのくらいのF値が良いかというのは、いろいろ撮って自分の好みを見つけてゆくしかありません。

追加説明(7/20)

F値の値のきざみは通常以下のようになっていて、1段階ごとにレンズの有効面積が倍(=露光量が倍)になるような関係になっています。

1 1.4 2.0 2.8 4.0 5.6 8.0 11 16 22

デジタルの時代になって、このきざみをもっと細かく設定できるようになっていることが多いですが、これが基本です。

開放F値よりも小さなF値には設定できないので、使用するレンズの開放F値が3.5であれば3.5からスタートします。

できるだけ開放F値の小さなレンズの方が星空写真には有利です。

でも、F値の小さなレンズは一般的に大きくて、重くて、高価ですし、本編で書いたように開放で使うと周辺減光や周辺の星像が大きくて・・・・ということもあるので事前によく確かめて入手するようにして下さい。

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今日は曇りのち(夜になって)晴れでした。

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そろそろ梅雨明けですかね・・・・

さてさて星景写真入門が続きます。
4. 露光量の調節

デジカメで写真を撮るということは、デジカメの受光素子に光を当て(露光し)て、それを記録するということです。

暗い星でもたくさん光を蓄積してあげれば写すことができます。

露光量を決めるのにカメラでは次の3つの要素があります。

1) シャッタースピード
2) F値
3) ISO感度

以下それぞれについて詳しく説明します。
4-1. シャッタースピード(露光時間)

今さら説明の必要もないと思いますが、シャッタースピードは受光素子にどれだけの時間光を蓄積させるかという時間の長さです。

昼間の撮影では100分の1秒とか500分の1秒といったもの凄く短い時間で写すことが可能ですが、星空はもの凄く暗いので、数秒から数分といった時間、光を蓄積させ続ける必要があります。

カメラの設定がオートのままでは対応しないことが多いので、通常は「マニュアル露光モード」に切り替えて、自分で露光時間(シャッタースピード)を設定します。

露光時間が長いほど暗い星が写りそうですが、カメラを三脚などに固定して撮影している場合には、星が日周運動で動くので(カメラレンズの焦点距離にもよりますが広角系レンズなら)20~40秒くらいが適切なシャッタースピードとなります。

それ以上長くしても星が線になって写るので、暗い星が写るわけではありません。
(長時間露光でも星を点に写す方法はあるのですが、それはまた別の機会にします。)

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上の写真はさそり座からいて座あたりを撮影した写真ですが、露光時間を20秒で撮影したものです。(レンズは20mmの広角レンズを使用)

ブログレベルのサイズだとこれを40秒で撮影してもほとんど点のままですが、少し拡大すると少しだけ横に伸びているのがわかります。

下はその20秒と40秒露光の等倍拡大にしたものです。(ここでは露光量を等しくするためF値を変えています。)

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40秒になると少し大きく表示したり、印刷したときに無視できないくらい流れ出しています。

どのくらいのサイズにして使用するかを考えて露光時間を決める必要があるわけです。

また、これだけの長い時間シャッターが開いたままになるので、少しくらいの風ではブレないようなガッチリした三脚が必要になることがわかると思います。

さらにいえば、明るい場所で間違ってこの設定のままシャッターを切ってしまうと受光素子を破損しかねませんので十分な注意が必要です。
シャッタースピードとは直接関係がないのですが、デジカメには「長秒露光ノイズ補正」機能があり、通常はデフォルトでオンになっています。

デジタルカメラは原理的に長時間露光をすると受光素子自体が発生するノイズもドンドン蓄積されて画面全体が砂嵐のようになるという現象が起こります。

この機能はこの現象を軽減するためのものなのですが、撮影した露光時間と同じ時間をかけて受光素子から出てくるノイズを作り出し、写した画像からそのノイズを引き算するという処理をカメラ内部で自動的に行ってくれます。

あとでまとめてパソコン上で「引き算」をする裏技もあるのですが、慣れないうちはカメラ任せのこの設定を使う方が良いでしょう。

30秒露光するとそのあと30秒間カメラが使えなくなるのはかなりかったるく感じることもあります。

SNSにアップする程度の写真と割り切るなら設定をオフにしてもよいです。

また、タイムラプスや比較明合成など後処理でたくさんの画像をつなげるような場合もオフにしておかないとダメです。(続く)

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夏休み突入! なのですが・・・

いよいよ夏休みの先駆け、海の日連休に突入です。

今日もスッキリしない天候で、星を見ることはできませんでした。

終わりそうで終わらない梅雨が恨めしいです。

さて、夏休みに向けてスタパの館内設備が少しだけ充実しました。

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この夏から秋はB&Bスタイルでの営業となるわけですが、食料を持ち込まれるゲストが多くなるのでは?ということでパブリックスペースにゲスト用冷蔵庫を置くことにしました。

各室に置ければ良いのですが、スペース的に無理なのと、冷蔵庫の容量もそこまでは必要ないだろうという判断です。

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そしてもう一つ、ゲスト用電子レンジをパブリックスペースに置きました。

お弁当などの暖めも気楽にご利用頂くことができます。

さて今日はB&Bスタイル営業の初日。

これまで2泊3食パックで団体様などの場合には、たくさんゲストがいらしても観察会の時間で遊んでいられたのですが、いざ普通の営業でそのような状態になると少し気が抜けたというか、間が持たないというか、変な感覚です。

夜になってゲストが食事に出て、皆さんいなくなると言うのも変な気分です。

数日前からキススメバチが玄関上の屋根の庇に巣を作り始めていました。

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危険なので駆除しようと思っていたのですが、夜にならないと全部のハチが戻らなくて一網打尽にできないので、夜にやろうと思うと雨で順延になっていました。

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高所清掃用の長く伸びる棒の先端にハチ用殺虫剤を貼り付けロープで遠隔操作できるようにして、遠くからハチの巣を攻撃します。

ゲストがたくさんいるときに通常ならできそうも無い仕事なのですが、皆さんが食事に出られている間に駆除を完了することができました。

B&B営業ならではといった感じで、これまた変な気分でした。

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嵐の前の・・・・

今日は終日曇り&雨、そしてときおり一瞬だけ青空の一日でした。

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いつもの絶景ポイントから橋が見えない・・・

明日から海の日連休。

今年のスタパの夏休み営業は実質明日からなし崩しにスタートとなります。

例年のことですが、準備で最後の悪あがきが続いていますが、この先は走りながら準備を完了させて行くことになります。(あっ、もちろん手つかずor中途半端なままになる案件も山のように残ります・・・・)

今日は風呂のフタを新しい物と交換したり、B&Bスタイルの営業に向けての案内書きを作ったりとせわしない一日でした。

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雨音だけがときおり耳に入る静かな一日でした。

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星景写真入門 その6

いよいよ梅雨も終わりか、季節の変わり目の日に見える(というスタパで不思議なジンクスのある)虹が見えました。

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夜にはまずまずの天候で月の写真も撮れました。

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これで梅雨明けだと良いのですが・・・

さて星景写真入門が続きます。

今日も「3.星景写真に必要な機材」 の続きです。

5)セロテープ

ほとんどの星景写真ではピント合わせをマニュアルで合わせます。(カメラ側で無限遠に合わせてくれる場合もありますがレアケースです。)

最近のオートフォーカス対応のレンズはマニュアルにした場合ピントリングがとても軽く回るので、ピントを合わせてもほんの少し手を触れただけでピントが狂ってしまうことが多いです。

せっかく渾身の一枚を撮ったつもりが、後で拡大するとピンボケでガッカリすることが本当にあるのです。

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そんなことが無いようにピント合わせをしたらセロテープでピントリングを固定すると安心してその後の設定や構図あわせができます。

セロテープだと粘着力が強すぎるとか、跡が残ることがあるので最近ではマスキングテープや養生用のテープを使うのが良いとされています。

カメラのバッグにぜひ忍ばせておきたいアイテムです。

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6)屋外用座布団orマット
私のスタイルだと撮影時に三脚をあまり高くしないので、構図を取るときは這いつくばるようにしてカメラを覗きます。

このとき地面にお尻を着けたり、膝を立てる姿勢が多いのですが、何も無い状態でその姿勢をとれば服が汚れますし、お尻や膝が痛くなります。(冬ならそれに冷えが加わります。)

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屋外用の座布団やマットがあると、服を汚さずとても快適に作業ができます。

撮影が長時間に及ぶときには座って星を見上げることもできます。

三脚とセットで持ち歩くと良いです。

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7)結露防止ヒーター

この先は少しマニアックな世界です。

カメラを外に長時間おいていると、季節にかかわらずレンズに露がおりて曇ってしまう事があります。(気温や湿度の関係で一年中発生します。)

少しでも曇ると途端に星の写りが悪くなるので注意が必要です。

原理的には気温よりもほんのわずかでもカメラやレンズの表面温度が高ければ結露しません。(氷の入ったグラスには結露しますが、暖かいお茶の入った茶碗には結露しませんよね。)

なのでレンズの周りにヒーターを巻いて暖めてあげれば良いわけです。

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普通のお店ではなかなか入手できませんがネットで探すと購入が可能です。

車のバッテリー(12V)などから給電する物や、最近ではUSB充電用バッテリーを使う物も入手可能です。

特に深夜過ぎに結露がひどくなることが多いので、「一晩中撮るぞ!!」などと気合いの入ったときはぜひ欲しいアイテムと言えます。

電池式のカイロでも代用が可能で、カイロを適当な帯状のヒモで縛り付けるだけでも効果があります。(あまり長時間は持ちませんが・・・)

身体に着ける使い捨てカイロ(ほっかいろなど)は外気にさらすとすぐに冷えて使い物になりませんのでお間違いの無いよう・・・

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8)ソフトフォーカスフィルター
デジカメで星空を写すととてもシャープに星が写り、微光星まで針の先で突いたように細かく写ります。

細かく写るのは良いのですが、明るい星と暗い星の差が分かりにくいという欠点もあり、星座を分かりやすく見せたいときには却って困ることがあります。

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ソフトフォーカスフィルターを使うと明るい星の周りににじみがでて星座を分かりやすく表現してくれます。

まずはフィルター無し

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次にフィルターあり

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同じレンズとカメラ、同じ露光設定でこんなにも星の写りが変わります。(拡大して見てね)

好みの問題もありますが、分かりやすい作品にするためには欲しいアイテムです。

以上で「星景写真に必要な機材」の項が終わりで、次回からは実際の撮影編に入ります。

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星景写真入門 その5

今日は一日こんな雲の中でした。

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さて「星景写真入門」が続きます。

今日は「3.星景写真に必要な機材」 の続きです。

2)三脚

星景写真を撮るうえでカメラの次に必要なのが「三脚」です。

まあ三脚なしでカメラを地面に転がして写してしまう猛者もいますが、地面がカメラを気楽に転がしておける状態でないこともありますし、構図の自由度を考えればやはり必須な機材です。

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一口にカメラ三脚といっても様々な大きさ、仕様、材質があって、値段もピンからキリまであって、新宿のカメラ屋さんなどに行くとあまりにたくさんあってどれにしたらよいか迷ってしまいます。
( スタパにもいっぱいありますが・・・・)

結論から言うと、予算の許す範囲で、持ち歩く事を前提に体力の許す範囲で、できるだけ大きくて、ガッチリした物を選ぶと良いです。

持ち歩く事を考えるとできるだけ小さくて、軽い物を選びたくなりますが、三脚は延ばして使うとブレが大きくなりますし、軽い物は風でぶれやすくなります。

私は個人的には構図上どうしても必要が無い限り三脚は一番短い状態で使います。

脚の長さ調整はほとんどの場合三脚の水平を取るとき以外には使いません。

カメラの構図を取るときは這いつくばるようにしてカメラを覗くことがほとんどです。

風景写真なら問題の無いブレでも星の写真では星が点に写ってくれなくなります。

少しでも失敗のリスクを減らすために三脚は延ばさないことにしています。

三脚の強度の判断ですが、三脚を(延ばさずに)広げた状態で置いて、2本の脚を手で持って回転方向に力を加えてもぶれる感じがしないものを選ぶと良いです。

感覚的な話で分かりにくいかも知れませんが、いくつかの三脚で較べるとガタやよじれ剛性の違いがわかるので、使用するカメラの重さなども加味して選びます。

スリック製往年の名器 まだまだ現役

スリック製往年の名器

また雲台と三脚部が分離できるタイプを選んで下さい。(ホームセンターなどで買うと分離できないタイプだったりします。)

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自由雲台に付替

写雲台は通常のパン棒のついたタイプでも良いですが、構図の自由度を考えると自由雲台と呼ばれるタイプも用意しておくといろいろ便利です。

雲台を交換するという意味でも分離できる物が必要というわけです。
つぎに紹介するアイテムからは必須ではありませんが、あった方が良いとか便利という物を紹介してゆきます。

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3)リモコンスイッチ

ガッチリした三脚に載せても、手でシャッターボタンを押すとそれだけでブレてしまうことがあります。

星を写すときはできるだけカメラに触れないのが鉄則です。(もちろんですがピント合わせや構図合わせ、各種設定の時は別です。)

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リモコンスイッチ(有線でも無線でもOKです)でシャッターを切るようにします。

最近ではスマホとWiFiでつなげて操作ができるようになっている機種もあるのでそれで代用も可能です。

リモコンスイッチがなくてもセルフタイマーを使えばマニュアル露光で最長の秒数(メーカーや機種によって違いますが30~60秒ほど)までの露光が可能です。

セルフタイマーにすれば、バルブ(スイッチを押している間シャッターを開けたままにするモード)以外はとりあえず使えます。

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4)懐中電灯
真っ暗な中でもカメラの操作ができるようになれば必要なさそうですが、それでもいろいろな状態を確認したり、するのにあった方が良いです。

最近ではスマホや携帯をお持ちの方が多いのでなくても困らないことが多いのですが、それでも小さいのを一つ持っていると何かと便利です。

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またスマホなどでは明るすぎてしまうこともあるので、できるだけ明るさの暗い(または調整できる)ものがあると良いです。

赤い光のものがベターですが、暗いものであれば白色系でもOKだと私は思います。(続く)

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星景写真入門 その4

今日はやや雲の多い天候。

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スタパ前の畑の作物はスクスクと育っています。

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どうやら今年の作物はキャベツのようです。

今日は夏休み営業を前にして最後のひとあがきで草刈りをしました。

疲れた・・・・
さて「星景写真入門」が続きます。

少し前置きが長かったのですが、今日は少し具体的な話です。

3.星景写真に必要な機材

ここからは具体的に星空の写真を撮るために必要な機材について説明します。

1)カメラ

星景写真を写すために当然ですが「カメラ」が必要です。

どんなカメラでも良いかというとそうでもありません。

これまで説明したように昼間の写真と比べてもの凄く暗いのと、カメラ任せにしてもよい結果が得られないことが多いので、様々な設定が自由になるカメラが必要です。

携帯やスマホのカメラでは今のところちょっと無理があります。(星がなんとか写るレベルのカメラを持った機種やアプリが出てきていますが、写りとしてはまだまだという感じがします。)

またコンデジ(コンパクトデジカメ)でも安い物ではやはり歯が立たない事がほとんどで、最低でも「高級コンデジ」と呼ばれるクラスのカメラが必要になります。

「高級コンデジ」クラスですととりあえず星景を写すことは可能ですし、最近では星空モードを持つカメラもあって、カメラ任せでそこそこの星景が撮れてしまうタイプもあります。

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私の普段使いの「高級コンデジ」オリンパスのSTYLUS1です

でも「コンデジ」タイプですとどうしてもレンズを交換する事ができないとか、一眼レフタイプに較べ受光素子が小さい(これは機種にもより大きな素子を持つ物もありますが)
のでノイズが大きいなどの欠点が多いです。

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STYLUS1で撮影した星景写真の例

普段使いのカメラとして、プラスアルファで星はとりあえず写れば良いというスタンスならばコンデジタイプでもOKだと思います。

1節で解説したマニュアルの設定ができるタイプのカメラなら星景写真を写すことができます。

でもスタパオーナーとしてのお奨めは星景写真用に「高級コンデジ」を買うなら一眼レフ(またはミラーレス)のエントリータイプの購入です。

エントリータイプならキットレンズ付きで高級コンデジを買うよりも安い場合があります。

さらにいえばここ数年、受光素子の感度性能の向上スピードがかなり鈍っているので、型落ちの中古(または新品中古)でも星景写真用としてなら全く問題無いです。
(キヤノンならkissX7、X7i、ニコンならD3300、D5200あたり・・・・かな)

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こちらはキヤノンのEosKissX5、まだまだ現役です

むしろそこでお金を浮かせて、明るいF値の広角レンズを購入する事を検討するのが良いと思います。

メーカーはどこでも良いと思いますが、特に思い入れがなければキヤノンかニコンが無難です。

たくさんの人が使っているので役に立つ情報が多いですし、交換レンズも純正以外でも選択肢が多くて安上がりにまとめやすいです。

普段使いとの共用でコンパクトさを重視する方にはm4/3(マイクロフォーサース)のオリンパスやパナソニックという選択もあります。

オリンパスのOM-D E-M10

オリンパスのOM-D E-M10

感度の面ではAPC-Cやフルサイズに一歩遅れますが、コンデジ並みに小さくて持ち歩きがしやすいのと、レンズを絞らなくても周辺まで像が良く、周辺減光が少ないという利点があります。(後々解説する機会があるかも知れませんが、APC-Cやフルサイズの場合レンズのF値が明るくても絞らないと使えないことが多いのでm4/3の感度の遅れはそれほど問題にならないことが多いです。)

カメラ選びに関しては、人それぞれの感性の違いで洋服の好みが違うのと同じで、なかなか「これ」と奨めにくい面が多いです。

最後のところは自分が納得して「これ!」とピンとくるものを選ぶのが一番だと思います。(続く)

補足(7/15追記)

現状で理想をいうならフルサイズのデジ一です。

その方が星は良く写ると思います。

でもこれから星景写真をというそこまでの投資と、あの重いカメラを持ち歩く事を素直に推奨できないので、ここでは割愛しています。

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星景写真入門 その3

3日続きの好天。

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スタパの空には夏雲が広がっていました。

さて今日も「星景写真入門」の続きです。
2.データの保存形式について

ここでは星空の写真を撮影するときのデータ保存形式について解説します。

昨日・一昨日で通常の写真とは違う星空写真特有の明るさについて説明しました。

シャッタースピードやF値についての設定については現場で写しながら決定を変えてゆく必要があるのですが、データの保存形式についてはその日の撮影対象によって予め設定して良いです。

基本の設定は「RAW+JPG」です。

「RAW」というのは「ロー(=生)データ」の意味で基本的にはカメラの受光素子が捉えたデータそのものです。(最近ではRAWデータでもすでに画像処理が施されていることが多いようですが・・)

生データですのでもの凄く情報量が多い代わりにデータの容量が大きくSDメモリーなどのストレージを圧迫する(=たくさん保存できない)ので嫌われることが多いです。

「JPG」のほうは前節でも解説した、カメラの画像エンジンが「こんな感じじゃないかなぁ~」と画像処理をかけた後に圧縮してはき出したデータです。

普通の写真であればこれだけでほとんど問題が無いし、データ容量が小さいので、たくさん保存してもメモリーカードがすぐに一杯になることが少ないので、多くの方はこのJPG保存のみを選択していることが多いと思います。

でも前節で説明したように星空の写真というのは昼間の写真とは違って、超露出アンダーと超露出オーバーが共存する写真なので、RAWデータがJPGデータになってしまうとその両端が切り捨てられた上に、階調に圧縮が掛かってしまい、大切なデーターが捨てられることになります。

下の写真は同じカットで「RAW+JPG」で保存したデータから空(天の川)の明るさがだいたい同じくらいになるようにそれぞれ画像処理しています。

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天の川や星の写り具合は似たり寄ったりと思いますが、木立の緑の部分がだいぶ違っているのがわかると思います。

JPGデータでは黒と判断されて切り捨てられた木立の緑がRAWデータには残っているわけです。

JPGデータでもマスクをかけてレイヤー合成などをしたりあれこれ画像処理をするとRAWデータに近い画像にできることはできるのですが、かなり煩雑な処理と画像処理のスキルが必要になるので、RAWから処理を進めた方がズッと簡単です。

RAWデータを扱うこと自体にもスキルが必要なので、初めのうちはJPGデータでトレーニングして後々RAWデータでの処理を学んでゆくのでも構いませんが、とりあえず星空写真の保存形式は通常は「RAW+JPG」を選択して下さい。

タイムラプス(動画)や比較明合成(星の軌跡)など大量のコマ数を撮影する場合はこの限りではなく「JPG」保存で問題ありません。

実は私もRAWデータの大切さが分かったのはわりと最近です。

でも諸先輩から「データはRAWで残せ」としつこく教えられていたので、多くのデータはRAWが残っていました。

古いデータでもRAWデータから画像を処理し直すとかなり見違えるほどの絵になることの多いことが分かりました。

ストレージの圧迫は気になりますが、ぜひ「RAW+JPG」のデータ保存をお奨めします。

「入門」といいつつ、いきなりハードルを上げてしまった感があり、ちょっと反省しています。

でも要約すれば

1.星はもの凄く暗いから覚悟してね。
2.画像処理もしないといい絵にはならないよ。
3.将来を考えてRAWデータを残そうね

といっているだけです。

実際に撮影を始める前に知ったおいた方が知らないで始めるよりいいかな・・・
という理系頭のお節介かも知れません。

というわけで次回からはいよいよ具体的な撮影の仕方について解説してゆきますのでもう少しお付き合い下さい。

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星景写真入門 その2

今日はなかなか良い天気の一日でした。

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「梅雨が明けたよ」といわれたら「そうなの~」といってしまいそうな爽やかな天候でした。
そんなわけで(?)今日も「星景写真入門」の続きです。

 

1.星景写真と昼間の風景写真の違いを知ろう(続き)

昨日は明るさの違いについて説明したのですが、今日は別の意味の明るさの違いについて説明します。

風景に限らず普通の写真というのは基本的に順光といわれる被写体に光がうまく当たっている状態で撮影します。

被写体をいかにきれいに見せるかが重要なわけで、あまり影がきつくならないようにライティングに気を使うことが多いわけです。

もちろん逆光撮影という表現手法はあるのですが、それほど一般的ではありませんし、その場合はきれいに見せるというより、絵としての印象を重視するような表現手法の場合が多いです。

さてそれでは星空の写真というのはどんなものなのでしょうか?

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上の写真を見て頂くと、夜空の写真なので当然ですが全体としては暗いイメージです。

ても明るい星や街明かりに照らされた雲の部分は完全な露出オーバーで白飛びしている部分があります。

また暗い部分でも木立の部分は完全に真っ黒になっています。

つまり超露出オーバーな部分と超露出アンダーな部分が共存する写真だと言えるのです。
ここで少し話は変わるのですがカメラが「こんなふうに写ったんですけど」と出力する絵のデータというのは、カメラの受光素子が集めた光の情報を「画像エンジン」と呼ばれる画像処理ソフトが眼で見たものに近い感じになるように、得られたデーターをあれこれ処理した結果です。

最近の「画像エンジン」はずいぶん進歩していて、普通の写真であればカメラがはき出す絵(JPG画像)をそのまま使ってもそれほどおかしくは感じないようになっています。

でも受光素子が集めたデータをエンジンが良かれと思う絵にするために不要な部分(極端に明るい部分や暗い部分)を切り捨て圧縮してしまいます。

昼間の写真なら問題が無いのですが、上記したように星空の写真は極端に明るい部分にも、暗い部分にも実は大事な光の情報が隠れている場合があります。

ですからカメラが「こんな感じですけど・・」と出してきたデータが正しいと思うのは大間違いだということになります。

銀塩フィルム時代からの写真ファンのなかにPCに取り込んだ画像を処理することを「邪道だ」と言い切ってしまう方がとおりいます。

カメラがはき出すJPG画像こそが正しいものでパソコンで画像処理をするなんてとんでもない・・・ということになるようです。

でも、くどいですがカメラがはき出す画像というのは「昼間の写真ならこんな感じなんですが・・・」というものですから、何らかの形で画像処理をしてあげないとあまりインパクトのある絵にならないことが多いです。

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上は右がリサイズのみのJPG画像、左はそれを画像処理ソフトで「明るさ」と「コントラスト」のスライダーをチョイチョイと動かして30秒と掛からずにできた画像です。

好みの問題もありますが(右側の方が見た目に近い)、インパクトは左が勝ると思います。

星空の写真を撮って鑑賞に堪える絵にしようと思うと、PCでの画像処理がないとかなり厳しいと言えます。
(写し方や写す対象に依っては画像処理がほとんど必要ない場合もあります。一般論として捉えて頂ければと思います。)

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星景写真入門 その1

今日も梅雨空。

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ウッドデッキに置いていたイスが劣化してダメになったので夏休み前に新しい物に交換しました。

今度のは総アルミ製で耐候性の心配はしなくて済みます。

週末なのでゲストが来て下さる・・・

どうなることがと思っていたのですが、夜は見事に快晴となりました。(ヨカッタ・・・)

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ところでこの夏から秋にかけてスタパでは毎日「星空写真入門教室」を開催します。

ここ数年、デジカメの急速な進歩と普及で星景写真に対するハードルが大幅に下がり「撮って見たい」というかたがとても多くなっています。

スタパのゲストの中にもそんな方が多いので「教室」を開講することにしました。

というわけで(?)今日からテキスト作りも兼ねて、星景写真入門の記事を連載することにします。

第1回は 星景写真と昼間の風景写真の違いを知ろう です

星の写っている風景写真を星景写真といいますが、昼間の風景写真と何が違うのでしょう?

写真を撮るという意味で、基本的なところはあまり違わないのですが決定的に違うのは明るさです。

どのくらい違うかというと・・・・、

太陽の明るさは満月の明るさの約40万倍です。

満月の明るさで昼間のような明るさの風景を撮ろうと思うとそれだけ余計にデジカメのセンサーに光を蓄積してあげないとダメなわけです。

星の中で明るい部類に入る1等星はさらに満月の明るさのほぼ40万分の1です。

まあ星明かりで風景を撮るわけでもないのでその数字分をそのまま蓄積する必要はないのですが、まあ絶望的に暗いということはおわかり頂けると思います。

ですから昼間の写真のようにシャッターを押して「パチリ」とお手軽に撮れるわけではなです。(厳密には最近の超高性能なカメラではそれが可能になってきていますが、まだ一般的ではないですし、クオリティーの面ではまだまだと言えます。)

暗い物を撮影撮影するためにどうしたら良いかというと、カメラのセンサーにたくさんの光を蓄積してあげれば良いのですが、そのためには昼間撮る写真とは違う設定やコツがいくつかあって、それを忠実におさえておかないと、きれいな星景写真は撮れないと言い切っても良いほどです。

その設定とコツを以下に列記します。

1)マニュアルフォーカス設定

星景はとにかく暗いのでカメラのオートフォーカスは全くあてにならない事がほとんどですので、マニュアルフォーカスモードにして手動でピント合わせを行います。

2)マニュアル露光設定

カメラ任せの自動露光だと思ったように星景を写すことができません。
星の光を蓄積するためにシャッタースピードやF値を手動で設定します。

3)ISO感度のマニュアル設定

ISO感度もオートではなく通常よりも高いISO(だいたいの場合は800以上)を手動で設定します。

4)三脚が必須
長秒露光が前提となるので三脚無しでは星が点に写らなくなります。
ガッチリした三脚を準備しましょう。

5)カメラへの慣れ

三脚への取付なども含め、暗闇の中で上記の作業が手探りでできるくらいに使用するカメラに慣れていないと、とても効率が悪いです。
以上が昼間の風景写真と異なる暗さを克服するための対応策です。

目をつぶったまま各種の設定が自在にできるようになるくらいになると、上の写真くらいの星景写真は簡単に撮れるようになります。

ぜひ練習してみて下さい。

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